2010-10-13

カタログ・ネット・実店舗の三位一体

 麦考林という会社がある。最初はカタログ販売から初め、その後ネット販売、実店舗販売を加えることで今日の三位一体のモデルを構築した会社である。


 

 同社は1996年に設立された中国初の通信販売業務の批准を得た外資企業だ。最初の8年間はずっと赤字で、倒産しかかっていたのだが、現在のCEOである顧準春氏が2001年より建て直しをはかり2004年から利益を計上し始めた。2006年からは上海等の都市部で実店舗を展開し、多チャンネル戦略を実施し始めた。現在のところネット販売の比率は50%を超えており、残りを通信販売と店舗販売が半々ずつ。年商10億元を超えているといわれる。


 ポジショニングにおいても、中国市場はまだ本当の流行且つ高コストパフォーマンスの服装が欠落していたことから、顧氏が2001年にCEOに就任後にターゲット消費群を流行を追及する都市女性に定め、ここ10年来は絶えずファッショナブルな新品種を追加してきた。総合化しつつあるとあいえやはり得意分野であるアパレルに最も力を入れているのである。 B2C垂直Eコマースが総合化していく中で、麦考林のウェブサイト麦網も総合化の途上にあるが、やはり「fashion(流行)」をコアとする個性」を堅持していく方針にある。そして、自社ブランドも要しており、欧夢達(Euromoda)Rampageは販売額の70%近くを占めている。顧氏によると、Euromodaというブランドは実店舗に非常に合うものと考えており、且つこの価格帯では他ブランドよりも非常にリーズナブルで、metersbonwe等のカジュアルブランドや李寧等のスポーツブランドとも直接の競合関係になく、非常に差別化できていると考えているとのことだ。

 顧客が果たしてカタログを通じて購入しているのか、ネットを通じて購入しているのか、本質的な区分はしづらいが、顧氏は「カタログは単なる広告媒体であり、ネットの補充だ」と言う。
カタログを単独のチャネルとは見ていないのである。

 

 この三位一体のビジネススキームについて、CEO24時間いつでもショッピングができることから、24時間ショッピング圏と読んでいる。JETROのネット販売ハンドブックの中でも言及したが、ネット販売で成功を収めるのはそんなに簡単なことではなく、またネットだけで成功するというのも難しいと思う。麦考林の場合はカタログもそうだし、実店舗もそうだが、これら複数のチャネルが融合することで、ブランド力というか信用力が増しているのだといえるだろう。ネット販売は本当に厳しい市場であるが、この三位一体のスキームは本格的に展開していこうとする企業にとっては非常に参考になるスキームだと思う。今の中国で、やはり実店舗で手にとって見ることができるというのは非常に大きい。それだけで信用力は段違いだ。ユニクロもしかり、アディダスもしかり、実店舗とネットがうまく融合してお互いに対するプラス作用が生じているといえるだろう。ネット店舗を構えるだけではコストは確かにかからない。気付いてもらうためにはプロモーションを打たないといけないが、中国では園費用がバカ高い。実店舗の家賃もバカ高い。そうなると、結局資金力勝負になってしまうのだろうか。自社の商品がどのポジショニングにあるかの見極めを失敗すると資金力勝負の中のマイナスの螺旋に巻き込まれてしまいかねないので、ここは非常に大事なポイントといえるだろう。 

 

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