2010-12-17

労働集約型企業はやっぱり厳しい

 

 去年、一昨年は金融危機の関係もあり外国からの受注が少なかったクリスマス向け商品だが、今年は受注が大幅に増加している。ところが儲からないそうだ。とある工場ではオーダーが昨年よりも3割も増加したにもかかわらず、最終利益水準は昨年と変わらないという。それもこれも労働コストの上昇、原材料の上昇、人民元の上昇、これがトリプルで効いているのだ。さしずめワン・ツー・左フックを食らうようなものか。メーカーだけでなく、中間商でも同じ現象が生じている。工場からの仕入れ価格が年初に契約したときよりも10%程度上がったため、このしわ寄せが中間商に来てしまい、利益を圧縮してしまっているのだ。

 

 クリスマス商品を受注する企業の多くが中小企業であり、中にはパパママ企業レベルのところもある。そのため、技術レベルは低く、競争力も弱く、低廉な加工賃で経営を維持している状態にある。そのため、コスト、オーダー量、為替レートでちょっと変動があるとその変動を吸収することができず、利益も確保できなくなるという。こういった低付加価値産業のレベルアップを図っていくという精神論的な通達類を何度も見たことがあるが、こんな儲からない商売でもやっていかざるを得ない企業も多い。ここに挙げたのは浙江省の義烏の話だが、あれだけ雑貨が集約するような産業立地になってしまっている以上、いまさら急激に変えていくのも難しい。結局レベルの低い企業同士でレベルの低い競争が起こり、価格だけが差別化要因となって勝負し、体力のないもの同士が消耗していくような形になってしまう。義烏以外でも同じような状況はあるだろう。これでも続けていかなくてはならない労働集約型企業はやっぱり大変だ。

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コメント1件

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    中国の労働集約型経済
    中国は、発展途上国の中で労働集約型経済の“優等生”だと言ってもいいだろう。メイド・イン・チャイナの中国製品が世界中で売られるようになった今、中国は世界の工場と呼ばれるほど経済が急成長した。改革開放から30年あまり、労働集約型経済は、大量生産により農村部の余剰労働力、言わば「農民工」を雇用し、中国経済を支えてきた。しかし、金融危機以降、外国からの注文が大幅に減った原因で、中国の労働集約型企業に大きな打撃を受けた。また、人件費、原材料価格の上がりは、生産コストの上昇を招いた。こうした国内外の経済環境の変化により、労働集約型企業が悲鳴をあげるだろう。これから、中国の労働集約型企業は、外国の注文に依存するだけで、生き残らないと思う。自主開発の能力やブランド力を高め、自ら活路を開く新しい「メイド・イン・チャイナ」の時代がやって来るのだろうか?

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