2011-01-17

上海において立替金送金規制が緩和

20101231日付で《上海市国内機構のサービス貿易項目における立替金、分担費用の対外支払いの関連問題に関する通知》(上海匯発[2010]192号)が公布され、従来外貨管理局より認定を受けた多国籍企業のみに限定されていた立替金送金が緩和されることになりました。中国では一般的に立替金送金を国外宛に送金することができません。そのため、本通知に伴って立替金送金が解禁されることは企業にとっては非常にインパクトの多いものであるといえます。以下に主なポイントについて紹介します。

 

 

1.対象となる企業

 

 以下のいずれかの条件に当てはまる外商投資企業または中資企業は、外貨管理局の資格確認を経て、外貨管理局が発行する「備案表」に基づいて、サービス貿易項目における立替金、分担費用の外貨購入支払い手続きを行うことができます。

 

(1)上海市商務委員会の認定を経た多国籍企業地域本部

(2)上海市商務委員会の認定を経た外商投資研究開発センター

(3)上海市商務委員会及び上海市外商投資企業協会の認定を経た前年度の上海市外商投資先進企業

(4)上海市商務委員会の認定を経たサービスアウトソーシング重点企業及びサービス貿易重点企業

(5)中外資保険機構及び保険仲介機構

 

 

2.送金限度額

 

外貨管理局に多国籍企業の認定を受けていない企業及び前記の条件を満たさない単一の外商投資企業または中資企業については、金額に応じて次のような取扱いになります。

 

一回当たりの送金金額

支払方法

10万米ドル相当額以下

直接外貨指定銀行で外貨購入支払い。

10万米ドル相当額超

外貨管理局が発行する外貨購入支払い核準件に基づいて外貨指定銀行で外貨購入支払い。

 

以上のように、10万米ドル相当額以下であれば一般の企業であっても特に外貨管理局の認可を必要としません。なお、一部のものを除き、国内機構及び個人の国外への一回の支払いが3 万米ドル相当額を超過する場合、税務証明が必要になります。逆に言えば3万米ドル以下であれば税務証明の提出が不要になるわけです。非貿易送金に当たって税務証明を要求されないというのは、あくまで銀行が受付書類として不要としているだけであり、必ずしも納税義務が不要になるというわけではありません。しかしながら、立替金はその性質からして本来的には納税する必要のないものであるといえ、3万米ドル相当額以下の立替金送金を行うことで税務局よりの指摘を受けずに済むのではないかと思われます。

 

 一部地域で立替金送金ができていた都市もありましたが、上海という都市で開放されたことにより、他地域への波及が期待できます。少なくとも上海で解禁されたことには違いないので、各企業において今まで送金できていなかった、且つどうしてよいか処理に困っていた立替金の処理が大きく進むものと思われますし、企業設立に際して発生しがちな本社よりの立替え費用を本社に送金できないという悩みも解消することができるものと思われます。

 

 ひょっとして溜まりすぎた外貨を吐き出すための手段の一つとしてまずは上海で実験的に開放するのでしょうかねえ。

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