2011-02-11

客単価500元のネットショッピングサイト

 銀泰網という昨年1011日にオープンしたばかりのネットショッピングサイトがある。このショッピングサイトは巷で言われる安物買いのショッピングサイトとは正反対の高級品を主に取り扱うサイトである。

 

 

 

 オープンしたばかりのこのサイトが3ヵ月後には一日の注文数が1万を超えたといい、さらに驚くべきこととしては客単価が500元を超えたのだ。注文数、客単価とも驚くべき数字である。購入金額に応じて金券をバックする方式で販促を行ったという。金券にひょる販促というスキーム自体は小売業ではごくごく一般的なのだが、ネット販売となるとそれほど多くは見られない。あったとしても期間限定である場合が多く、銀泰網のように常態化しているところは見られないのだ。なぜこんなことができるのだろうか。

 

 銀泰網の全ての商品は買い取り形式である。出店形式でなく買取であるが故に、銀泰網と顧客との間は直接決済を行うことになる(決済条件はわかりませんが、資金負担は大きいかもしれないですね)。そのため、たとえばPRADAを購入して得た金券でLVの商品を購入することができるのだ。果てしなき価格線に巻き込まれない高級品の場合は粗利も大きいためこういうことができるのだ。

 

 また、銀泰網の取り扱い商品は全てミドルハイ以上のものであり、これらのものは一般的にはブランドイメージの関係もあり、季節遅れでもない限り値引き販売することができない。銀泰網は季節遅れ品ではなく新商品の販売に努めており、値引きを行う代わりに金券を活用することで、むやみやたらな値引きを行わないようにしている。

 

 銀泰網の取り扱いブランドは現在300ほどあり、2011年末にはこれを1000にまで引き上げようとしている。しかし、できたばかりのショッピングサイトがどうして多くのブランドを取り扱うことができるようになったのだろうか。最初はやはりその交渉は簡単ではなかった。サプライヤー側はネットショッピングサイトで商品が取り扱われることによりブランドイメージが傷つくことを恐れたのだが、粘り強く交渉し、①仕入れに際しての値引きに固執しなかった、②ミドルハイのポジショニングを堅持し、ミドルローには入り込まず、高級ブランドイメージを作り上げる、③郵送費無料・無条件返品交換やアフターサービスの充実、これらを謳うことによりサプライヤー側を納得させ交渉を成立させることができたのだ。

 

 銀泰網の強みはほかにもある。余った商品をサプライヤーに返品することができるのだ。実は銀泰グループには中国全土で百貨店を24店舗有しており、この知名度がモノを言っている。

 

 銀泰グループの戦略としては、百貨店(実体店舗)、都市総合体(都市における商業、オフィス、居住、ホテル、展示、飲食、会議、文化娯楽及び交通都市生活空間の3つ以上を組み合わせ、そしてそれぞれの間の一種の相互依存、相互メリットの能動関係を構築し、それにより多機能、高効率の綜合体を形成すること)、銀泰網の三大戦略を配置し、銀泰網を0号店として実体店舗の前に位置づけ、銀泰百貨の将来の重点育成対象とするという。

 

 銀泰網のように百貨店とネット販売とを両立させているところはほとんどないようである。一般的に百貨店がネット販売を行う場合、「ついで」にやっているケースが多いようで、数名の部隊に任されているケースが多いという。しかし銀泰網では10ヶ月を費やして擁立した500人の部隊で行っているのだ。気合の入り方が違う。ネット販売はウェブサイトさえ立ち上げればいい、出店さえすればいいと思っている人にとっては、ちょっと考えもつかないような話かもしれないが、これくらいの気合を入れてやらないと、ネット販売での成功は難しいと思ってもいいだろう。ネット販売の肝はその存在に気づいてもらうところにある。出店しただけでは埋もれてしまうだけなのである。みんながみんなこれだけのことはできないだろうが、ただ、これくらいのことをやっているところがあるのだということで参考にすることはできるだろう。

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