2011-04-10

中国人と読書

 先日知人と話していたところ、「中国人は本を読まないですよねえ」という話題が出た。ちょうどその後に新聞を見ていたところ、中国でいかに本が読まれていないかという記事を見つけたので、今日はこの話題で。

 

 1990年の一人当たり平均の書籍消費量は5.2冊だったのが2009年には5.6冊、19年間でわずか0.4冊しか延びていない。ページ数で見ても1999年には全体で391.4億だったのが、2009年には565.5億と、10年間で45%増加したというものの、GDPや収入の伸び幅と比べると全然小さい。なぜこんなにも本が読まれないのかについては歴史的な問題があると指摘されている。経済がまだ発展していなかったころ、要するに計画経済全盛の時代だが、そのころの書籍価格はきわめて低く、大量の宣伝的内容を含んだ書籍が出回っており、そのためお金を払って本を読むという習慣がつかなかったという。実際に、1999年から2008年において、教育文化娯楽サービスに対する支出は567.1元から1,358.26元と、年平均10.19%の増加を示しているが、この中には教育支出の比重が大きく書籍に対する支出というのは非常に小さい。書籍に対してお金を払うという意識に乏しいのである。

 

 2008年に出版された《全国国民閲読調査報告》によると、51%の人が書籍価格を「割りと高い」と考えており、31.8%の人が書籍価格を「適正」と考えている。この30年において、収入は50%になった一方で、書籍価格は20-30倍にしかなっていない。1980年当時は映画館の入場料が0.15元程度だったのが、いまでは50元と300倍以上にも待っている。でも本にはお金が出せないようである。

 

 本が読まれない原因として、いい作品が少ないことも指摘されている。いい加減な本も多いため、余計に書籍価格が高く感じられるという。

 

 これが農村だともっとひどい状況にある。都市と農村の図書販売比率は2001年に74:26だったのが、2005年には78:22、そして2009年には82:18と、どんどん広がっているのである。一般的なアンケート調査で書籍価格が高く感じられるという結果が出ているが、農村であれば余計にそう感じるであろう。だから、農村部の家に行くと、書籍といえば子供の学校の教材くらいで、本棚すらないところも少なくない。価格の問題もあるが、農村部にはそもそも本屋がないという問題もある。そんな中で、浙江新華書店が「農村出版物発行ミニチェーン」というものをやり始めた。農村の民営の書店を加盟チェーンの方式を通じて、農村で新型の農村出版物発行ネットワークを作り始めたのである。すでにこのネットワークは171箇所あり、昨年の浙江ミニチェーンの書籍販売総額は3,679万元と前年比62.83%もの伸びを示している。一店舗あたりの売上高は日本円で300万円もいかないが、伸び率が大きいので、農村部もやりようによっては面白いビジネスができそうにも思う。

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