2011-05-05

中国産の有機食品

 昨日に続き有機食品についてです、本日は中国産の有機食品に関する紹介です。中国産といってもネガティブ情報ではなくてうまくやっているケースです。

 

 中国の有機食品市場は2006年には56億元だったのが、2010年には100億元を超え、今後は30%以上の成長率を予想する声があります。昨日紹介した会社もこの流れを読んでの中国市場参入でした。

 

 多利農庄という会社があります。 

 

 

   

 ここの代表者の張氏は以前EMBAで学んでいたのですが、その卒業論文で有機食品市場に関するものを書きました。その研究を通じて、香港、台湾、日本では有機農産品の全体に占める比率は8~10%あるのに対し、中国では上海のような都市でも1%に満たないことを発見しました。2006年末の段階で、中国国内で有機食品印象を取得した企業はなんと2000社を超えているのですが、数こそ多いものの大手企業はいないという状況。張氏は既に事業を行っており高い授業料が必要なEMBAで学ぶことができるくらい資金的には恵まれており、この資金を用いて有機食品のビジネスをはじめました。有機食品を育てるためにはそれに見合う土地が必要です。一般の土地だとそれを改良する必要があります。この会社では2億元以上を費やして土地改良を行い、有機食品を作れるようになると同時に、OFDC、IFOAM、HACCP、GAPといった認証を取得しました。これらを経て2009年の売上高は3000万元、2010年には5000万元に達し利益計上するにいたりました。投資した金額の回収にはいたっていないものの、まずまずの滑り出しでしょう。

 

 さて、販売に関しては普通であれば代理商やブローカーを通じての販売、スーパーとの連携といったものが考えられますが、いずれの方法でも中間フローで発生する費用がバカにならず、この費用を節約するために直販スタイルをとることにし、あわせて会費を必要とする会員制を導入しました。直販のスタイルとしてはおおよそ次の3つに分かれます。

 

(1)   大手企業は団体等の団体会員

(2)   ギフトカードまたは商品券の活用

(3)   オフィシャルサイトを通じたネット販売

これらの販売比率は4:4:2です。2010年末には20を超える団体会員と5000人の普通会員を抱えるにいたりました。結果論ですが、有機食品を購入するくらいの人であれば会費を払うということに抵抗感がなかったのでしょう。特に中国の有機食品は怪しげなものがまだまだ多いので、会員制にすることでより安心感を与えることができたのでしょう。

 

 直販には物流という問題があります。先進国ならいざ知らず、中国ではまだ物流、特にコールドチェーンが未発達です。扱い高が少なかった初期のころは自社で対応していましたが、取扱高が増えてくるにつれてそのやり方にも限界が見え、ヤマト運輸に委託することになったのです。ここで日系企業が出てくるというのがうれしいですね。配送チッキは上海エリアはカバーしており、産地で取れたものは24時間以内に会員のところに配送されるようになりました。

 

 また、製品がどこでどのように育てられ、どのように配送され、それが誰によって行われたかという情報も開示し、ほかには農場見学や釣りといったイベントを開催することで消費者をひきつけています。これらの活動は消費者に喜んでもらうということを目的としていますが、中国産の有機食品の信頼度をアップさせるのにも役立っていると思います。実際に商品を手に取る、あるいはそれに近い行動がこの中で垣間見られます。

 

 ネットでの評判を見る限りではいわゆるサービス面が劣っているように思います。やれアフターサービスが全然なっていないとか、言っているほどいいものでもないとか。

 

 サービスという言葉をキーワードに何かを展開しようという話はよく聞きますが、中国では優良なサービスを受ける機会が少なかったがゆえに、提供する側のレベル感と受ける側のレベル感が一致していない場面が多いように思います。要するに過剰サービスとなっておりかえってうっとうしく感じる場面もあれば、そもそもサービスになっていない場面も見られます。このあたりがどんどん収斂されていけばまた違ってくると思います。たとえばユニクロで買い物したときに受けた対応は個人的には非常に心地良く感じました。しつこくないけど心地よいという感覚ですね。適度な距離感とでもいいましょうか。他の人だとまた違う感想を持つかもしれませんが、こういったサービスのレベル感っていうのは大事かなと思いますね。

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