2011-05-14

中国内陸部を攻める~農村部ビジネス~

 

世界の工場から世界の市場へ、そしてその世界の市場の中で内陸部市場が注目されるようになってきてます。そしてさらに農村部にまで目を向き始めるところも出てきています。しかしながら、日系企業にとって農村部ビジネスはまだ研究段階にあります。都市と比べて成熟していない市場、地縁による結びつきが非常に強い市場、このような市場を独自で新たに開拓していくことは簡単ではないでしょう。そしてそれは中国企業であっても同じです。これを実現している企業について紹介します。吉峰農機連鎖股份有限公司(以下、吉峰農機という)です。

 

 

 

吉峰農機1998年より営業を開始し、2009年に上場を果たしています。主として国内外の一流の農業機械製品の販売を行っており、日系であればクボタやヤンマーの製品も取り扱っています。

  

同社の取り組み方法ですが、まずその土地のトップ3に入る代理店と交渉を行い、合弁会社を設立するというものです。合弁会社の出資比率は吉峰農機側が51%以上とマジョリティをとる形をとります。設立後はこの合弁会社を起点にしてその土地で業務を開拓していくのです。この手法で2004年から四川市場を開拓し、2006年の時点で90%の加盟者は合弁方式を通じてのものです。中国全土で見ても20106月末時点で直営店が127、代理店は1000以上にも上り、中国最大規模の農機流通企業であるといえます。

 

吉峰農機はこのように地元企業と合弁という形態をとることで、その土地の市場を攻めていったわけですが、これとは逆のケースについても紹介します。徳農農資連鎖超市という農業関連品を販売するスーパー(以下、徳農という)のケースです。徳農は基本的には直営形式を採用し、2004年には山東で800もの店舗を開設し、その2年後には全国で1万店を目指していました。ところが、現地の代理店が自分たち商売が侵食されるのを恐れ、何かと徳農と激しく競争を行いました。サプライヤーとなるメーカーはメーカーで、大手小売業者に支配されることを恐れ、徳農に対して優遇を行いませんでした。その結果、徳農の利益率はきわめて低いものとなり、大失敗といえる結果に終わったのです。

 合弁会社は意思決定に時間がかかる、相手に丸め込まれるかもしれない、そんな不安から独資での展開を進めるのが一般的で、総論としては確かにそのとおりでしょう。ただし、市場によっては業務展開の上で合弁形態のほうがむしろそぐわしいケースがあるのは紹介したケースのとおりです。中国企業でも場合によっては合弁を選択する、日系企業にとっても大いに参考となるのではないでしょうか。

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