2011-06-03

《社会保険法》施行に伴う外国籍従業員のコスト増

 《社会保険法》が7月1日より施行されるに伴い、外国人も社会保険に入る必要が出てきますが、人力資源社会保障部では外国人が中国で勤務する際の保険加入の細則を起草しているところで、その中で外国人が社会保険に加入する基本原則、適用範囲、参加保険種類、受取方法等について明確にしようとしているようです。

 

 もう一度条文を見てみましょう。《社会保険法》第97条では、「外国人が中国国内で就業する場合、本法規定を参照して社会保険に参加する」とあります。全人代常務委員会法制工作委員会行政法室というところの担当者によると、「ここでいうところの“参照”は、原則として《社会保険法》に従って執行することをさすが、ある程度融通をきかせることを許す、しかし融通を利かせるような規定がない場合、外国人は本法規定に従って社会保険に参加すべき」と説明しています。

 

 次に、どれだけコストアップするか見てみましょう。基本的には給与に対する比率で納付金額が決まるのですが、その比率にはキャップがかかっていますので、たくさん給与をもらっている人の場合は、その基数をベースに計算されることになります。上海の社会保険納付基数の上限は今のところ11,688元となっていますので、これで見ていきますと、個人負担分は1,285.68元、会社負担分が4,324.56元、合計で5,610.24元になります。駐在員の場合は毎月の給与を手取り保障されているケースが多いと思いますが、そうなると今まで発生していなかったこの5,610.24元が会社としてのコストアップになります。日本円換算すると約7万円ですね。ということは、一人当たり年間80万円くらいのコストアップになります。規模の大きい会社ですと駐在員が10人や20人いたりしますので、結構なコストアップになります。

 

 日本で社会保険を納付し、中国でも社会保険を納付するとなると二重払いということになりますが、国家間で《社会保障協定》を締結することでそれを回避します。昨年10月に調べたときには、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコの10カ国と協定を結んでおり、また、スペイン、イタリア、アイルランド、ブラジル(7月に新たに署名)とも協定について署名済みの状況でした。中国との間はこの間新聞報道でもありましたが、締結交渉自体がこれからです。

 

 こんな状況なので、中国の一部の学者の間では外国人に対して強制的に社会保障を納付させるわけには行かないという人もいます。たしかに道義的にはそうかもしれませんが、法的にはやっぱり納付しないといけないでしょう。

 

ということなので、外国人一人について7月以降約7万円のコストアップ、これは覚悟しないといけなさそうですね。

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