2011-08-15

中国における多国籍製薬企業の動き

 アメリカのMerck社と中国の先声薬業集団が製品の研究開発、登録、製造と販売等を進めていくべく、中国で合弁会社を設立することを発表しました。また、ファイザー製薬と浙江海正薬業の双方が共同で2.95億米ドル出資して合弁会社を設立することが発表されました。  

 多国籍製薬会社は新興市場で以前のような処方薬の販売から戦略的な医薬全産業チェーンを配置しようとしています。これは製品の特許期限が到来するというプレッシャーと、広範な新興ローエンド市場の開拓に向けての準備と考えられています。前述の二社の動きもこれに合わせた動きといえるでしょう。もう少し細かく見ていきます。

 

 中国において、ジェネリック薬品は薬品市場の60%を占めています。多国籍企業は合弁会社を興すことで期限が到来する特許薬を普通薬として生産販売する準備を行い、合弁パートナーを通じて新たな品種と新たな生産能力を獲得しようとしています。また、中国の新医療改革により末端医療が整ってくるにつれて、合弁パートナーの二三銭都市の末端販売網も合弁という方法を通じて獲得することができます。

 

 先発医薬品が中国で政策要因により価格引下げの傾向に面していることも背景にあります。国家発展改革委員会が昨年12月に発表した薬品値下げ政策がまず最初にターゲットにしたのが外国企業の特許期限が超えた先発医薬品です。今もなお意見募集を行っている《薬品価格管理弁法》では、この価格を毎年15%引き下げていくものとなっています。このように値下げが行われていくと外資系製薬企業としては新たな市場戦略をとる必要が出てきます。製品をローエンドの県医院、社区医院といった低いクラスの病院から一線都市の大医院を全てカバーしていく一方で、優良な地場企業を買収または提携することで新たな市場シェアを獲得していくという戦略です。その結果が最初に紹介した製薬会社の動きと言えます。このような動きを通じてジェネリック薬品の生産能力を確保することができ、市場を確保していくことができ、また価格の設定についても有利に働きます。

 

 製薬会社の方であれば上記の動きは知っていると思います。業界ごとにいろんな背景、流れがあります。こういった流れに乗る、乗るだけではなく動きの先を読むということが戦略策定の上では必要になってきますね。

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