2012-06-21

中国アウトレット事情

 中国のアウトレットは2002年に北京燕莎集団が作ったのが一番最初ですが、今では全国で200以上あり、アウトレットと名のつくディスカウント売り場は400にも上ります。ところが、みながみな健全な経営状況にあるわけではなく、つぶれてしまうようなところもそこそこあります。その要因として、そもそも中国におけるアウトレットというビジネスモデル自体に問題があるのではないかという見方があります。ここでは一般的に言われている問題点について見ていきましょう。

1. 消費者の収入レベル
 アウトレットの消費者の多くは中産階級で、アメリカではこれが主要階級である一方、中国でこの階級にあてはまるのは20%にしかすぎません。アメリカのアウトレットの消費者の奥は年収が4万米ドル以上の相対的に裕福な中産階級で、平均年齢が43歳、74%以上が自宅を保有しており、66%が財産制収入(預金、有価証券、不動産等)があります。一方で、北京の燕莎アウトレットの消費者は31~40歳が中心で、家庭月間収入が在6000元以上の消費者が2割を占めています。ということは、アメリカと比べると消費水準が劣ると言わざるを得ません。もちろん、中国の場合はそもそもの生活コストが低いことと、表面的な収入だけでは語れない部分はありますが、それでもアウトレットとはいえ高級品を購入するにはまだちょっと力不足というところなのでしょう。

 

2. 品揃え
 アウトレットはかなりの割引価格で有名ブランド品を購入できるというが特徴です。外国のアウトレットは季越え商品やB級品を販売するだけでなく、アウトレットのための商品を販売したりして商品を確保できるようにしてます。

 しかしながら中国では単なるB級品市場のようになっており、そのため国際ブランドはブランドイメージへの影響を恐れて入りたからず、品薄になりがちです。そのためアウトレットで売られているのは二・三流ブランドや季越え商品ばかりだったりします。この他にはあえてアウトレットに商品を並べなくても専門店でも十分売れるためあえてアウトレット向けに供給しないという話も聞いたことがあります。

 

3. 魅力不足のディスカウト
 中国のアウトレットは主に段階的代理モデルによる経営を行っているところが多く、多くの国際一流ブランドは代理相から、ブランド品とまで呼ばれないレベルの商品は直接納入という形のものが多く、そのため価格面でそれほど優位性がなく、消費者にとっても魅力が薄いという問題があります。外国のアウトレットの場合、このような間に代理が入る部分をそぎ落とし、コストを下げることで価格面での優位性を保つようにしています。

 これだけのネガティブ要素を指摘されると確かに魅力不足ですね。アウトレットはブランド品が安く購入できるのが売りなのですが、中国の流通の仕組みの関係上もっと安くてもいいものが安くなりきっていない、富裕層と言ってもみんながみんな富裕層というわけではなく、そもそも本当の富裕層がアウトレットでショッピングするわけでもなく、富裕層と呼ばれる人の割合もまだものすごく多いわけでもなく、そうでない人たちの方が圧倒的に多いわけですから、確かにそうした人たちの購買力が上昇してくるまでもう少し待つ必要もあるのでしょう。でもこういう議論をするときにはちまたでいう富裕層と中間層の定義がもっと明確だったらなあと思います。結構低い所得水準でも富裕層にカウントするような言い方もあれば、富豪みないなレベルを富裕層とする言い方もあります。このあたりはっきりさせないと、いつまでたっても富裕層という幻想から抜けられないのではないかと思います。

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