2013-01-17

銀行による多国籍企業本部外貨資金集中運営管理の争奪戦

昨年12月に外貨管理局が発表した「多国籍企業本部外貨資金集中運営管理試点」。以前に一度紹介したことがあります。12月11日の記事です。

 多国籍企業の外貨本部集中決済が開始

メディア報道によりますと、スタンダードチャータード銀行はすでにシェルとの間でこの新業務を開始したとのことです。スタチャン以外にも工商銀行、中国銀行、HSBCがこの業務を始めているとのことです。

 

スタチャンによりますと、当該試点業務は多国籍企業のクロスボーダー外貨借入・貸出について報告批准方式から統一限度額管理に変更され、要するに企業の余剰資金をいちいち申請しなくとも海外に払い出すことができ、受け入れることもできるというものです。これによって企業はグループ内で外債や対外貸出の限度額を調整することができ、効率的な資金管理を行うことができるようになります。銀行にとってはグループ企業の資金を丸抱えできるので、資金運用や決済が増加する等による収益増が見込めるというわけです。まあ、細かいことを言えば企業がグループ内で資金を効率的に管理することができることによって銀行からの借入を不要とする場面が増えてくることが考えられ、銀行にとってはこの部分がデメリットではあるでしょう。

今のところ多国籍企業本部外貨資金集中運営の政策は試点段階にあり、外貨管理局もまだオペレーションの細則を発表していません。また、外貨管理局は対象となる企業のリストの未発表しており、試点銀行のリストを限定しておらず、試点企業はどこの銀行にグループの資金を持ち込むか自ら選択することができるというわけです。こういうのはいったん一つの銀行で固まってしまうとスイッチするのがかなり面倒なので、まあ早い者勝ちで取り込んでいくしかないといえます。メディア報道では日系企業や日系銀行の名前が出てきていませんが、おそらく水面下で銀行による企業の争奪戦がきっと行われていることでしょうね。

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