2013-12-06

百貨店がアウトレットに業態転換、これいかに?

中国の2013年社会消費品小売総額は16兆8817億元で、前年比12.9%のプラスとなっています。小売業の業態別統計を見ますと、コンビニ(+13.3%)、スーパー(+13%)、百貨店(+7.4%)、専門店(+6.5%)と百貨店と専門店は相対的に厳しい状況にあることがわかります。近年は娯楽、飲食エリアの充実した大型ショッピングモールの台頭や、ネット販売の影響、そして車で行くにしても駐車スペースの確保が難しいといった問題もあり、消費者も買い物のために百貨店に行くインセンティブが少なくなってきています。このような状況において、伝統的な百貨店としても状況を打開すべく、アウトレットに業態転換する動きが一部で見られるようになってきています。

 

中国初のアウトレットは2002年の北京の燕沙(ウィンザー)アウトレット購物中心を皮切りに、現在では200余りありま。中には偽ブランド品を販売したり、原価を高く表示して割引率を大きく見せたりといった本来ならばアウトレットと呼べないようなレベルのものまでがアウトレットを名乗っているところもあり、このようなのも含めると400以上あるといわれています。中国ではアウトレットの業界標準がなく、近々《アウトレット企業経営管理要求》が公布されることが見込まれており、これにより状況が徐々に改善していくことが期待されますが、中国のことなのでそうすぐには変わらないようにも思います。

 

一般的なアウトレットの多くは郊外に位置しているのに対し、百貨店の多くは繁華街に位置しているため、これがアウトレットに転換すると、一般的には見られない郊外ではなく市街地にあるアウトレットになるのが大きな特徴といえます。このような市街地タイプは世界的に見ても成功モデルは今のところほとんどありません。百貨店がこのような形でアウトレット事業を行う場合、どんなリスクがあるでしょうか。

 

まず、百貨店は一般的にアウトレットで取り扱われるようなB級品を処分する経験に乏しいという問題、次に、百貨店の行うアウトレットは市街地にあるため、開発コストや賃料を含む諸々のコストが大きく、郊外型並みのディスカウントをしようと思えば利益を犠牲にせざるを得ないという問題、そして、結果としてディスカウント度合いを小さくせざるを得なくなってしまいます。広州では早い段階で市街地型アウトレットが出現しており、その多くが一階のスペースで大衆ブランドのディスカウント品を販売するようなもので、とてもアウトレットとは呼べるような代物ではないものが見られています。過去において天津でも市街地アウトレットが出現したものの1年ほどでクローズしてしまった実例もある。普通に考えて市街地で、大ディスカウントで、大面積で、大規模にブランド品を販売するのは難しく、それでいて百貨店がこのような動きを取るということはちょっと追い込まれ気味な感じがします。

 

日本の百貨店はバブル崩壊以降年々売り上げが減少しており、経済の長期的低迷が最も大きな要因ですが、何でも手に入るようになった時代に移っていくにつれて、庶民の憧れだった高級品を購入する百貨店の存在感が薄れてきたことも要因の一つと言われています。中国も同じサイクルで時代が移っていくとすれば日本と同じように百貨店の存在感が薄れていくことが考えられます。中国の百貨店もその危機感を持っているのでしょうが、果たしてアウトレットへの業態転換に賭けることは是か非か。百貨店のアウトレットへの業態転換、普通に考えてうまくいきそうには思えないのですが。市街地にあれば確かに便利だという声も聞きましたが、やっぱり採算的にはしんどくなるでしょうしね。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です