2023年中国生活サービス業チェーン企業Top100

2024年、中国チェーン経営協会(CCFA)は2024中国フランチャイズ加盟大会&生活サービス業発展大会で「2023年生活サービス業チェーン企業トップ100」を発表しました。

目次

ランキングに対象となる企業とは

対象となる企業は(調査に参加した企業)は主にホテル宿泊及びその他、自動車メンテナンス、家庭サービス、住宅サービス、美容、理容・養毛、健康サービス、レジャー・娯楽、教育サービスなどの9大業界にわたります。リストについては末尾に添付しておりますが、ブランド名を見ますと利用されたことのある方も多いのであないでしょうか。

2023年の中国での生活サービス業の3つの特徴

2023年の生活サービス業チェーントップ100企業の売上高規模は2,970.6億元(約6.5兆円)に達します。この調査結果を見ますと、2023年の生活サービス業には3つの特徴がみられます。

「業績が好転している」その理由とは?

(1)理容顧客の増加傾向

  • 来店客数が増加している企業は66%
  • 来店客数が前年(2022年)とほぼ同じだった企業は16%
  • 来店客数が減少した企業は3%

 景気がよくないといわれる中で業績が好転しているとのこと。とはいえ、これはあくまでトップ100入りした企業についてであり、必ずしも全体的に業績が好転しているということではないでしょう。

(2)コスト・利益

  • 2023年の企業の賃料コストは前年比平均6%低下減少。
  • 純利益が増加した企業は69%
  • 2024年に増収が実現すると予想している企業は94%
  • 引き続き出店していく企業が97%
  • の増加を予測している。97%の企業が持続的に開店すると答え、そのうち、開店率が10%以上の企業が過半数を占めている。

ランキング入りしている企業は賃料コストが6%も減少しています。中国では賃料が高いとよく言われますが、これが6%も減少するというのは景気低迷の恩恵を受けたといえるでしょう。

オンライン販売比率は前年の19%から22%に増加

  • オンライン販売比率は前年(2022年)の19%から2023年には22%に増加
  • デジタル化や新技術も対する投資が増加した企業は83%、残りの17%の企業の投資は前年2022年と同水準。

 ランキング入りした企業の多くは物販を主体とする企業ではないのですが、オンライン販売比率が上昇しているのですね。あらためて原文を見ますとオンライン決済ではなくやはりオンライン販売ですので、本当の本当にオンラインでのサービスの販売が増加しているということになりますね。

雇用数は前年(2022年)比8%近く増加

  • ランキング入りしている企業の雇用者数は前年(2022年)比8%近く増加
  • そのうち、灵活用工(非正規社員)の雇用者数の割合は2022年とほぼ同じで平均14%の水準を維持

 ランキング入りしている調子のよさげな企業は雇用者数を増加させています。いいことですね。

中国でよくある「前払いビジネス」の危険信号とは

 さて、このランキングを見て思ったこと。業種柄ともいえるのですが、前払いビジネスが結構ありますね。パット思いつくところでいうと美容、スポーツジム、教育(教室)関係です。たくさん店舗があって知名度があると安心しがちですが、そういったところが異様にディスカウントした会員カードを販売するようになると危険信号と考えたほうがいいと思います。昨年破綻したスポーツジムの舒适堡、香港の芸能人郭富城(アーロン・クォク)を使った広告をよく見かけましたが、昨年後半から閉店ラッシュが続くようになりました。そして、これは昨年6月の舒适堡のセールスとのチャット。

500元/年、900元/2年、1300元/3年、めちゃめちゃ安いです。価格だけ見ると非常に魅力的なのですが、こういうことをし始める時点で危険信号だと察知すべきでしょう。このチャットのやり取りがあってから半年もたたないうちに閉店ラッシュ、おそらく本部からディスカウントしまくってでもいいからとにかく金を集めてこいという指令が出ていたのでしょう。気をつけましょう。

ちょっと話が脱線してしまいましたが、最後はランキング企業のリストです。ご参考ください。

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この記事を書いた人

神戸育ち。住友銀行入行後、大阪を中心にほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化、2005年に日綜(上海)投資諮詢有限公司設立に伴い同社の副総経理に就任し、2011年10月より独立し株式会社TNCリサーチ&コンサルティング代表に就任。

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