中国の銀行業界で減員減給の動き、なんと20%以上の減給も

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中国ででも待遇のいいと言われてる銀行

日本では銀行員の給料は高いとよく言います。銀行の規模、年齢、職位により幅はありますが、相対的に待遇の良い業種であることには違いないでしょう。そしてそれは中国でも同じで、中国の銀行員の待遇もなかなかのものです。ところが、中国の銀行員の給与が減少基調にあるようです。以下の表は中国の常用している上場銀行の平均月収です。1元=20円くらいで換算して日本円だといくらになるかと自分の給料と比較しやすいかと思います。

中国の上場銀行の給料ランキング

給料のトップは招商銀行の5.16万元!

トップは招商銀行の5.16万元。結構な金額じゃないですか。これは2024年上半期の数字で、昨年2023年上半期は5.36万元、その前の2022年上半期が5.49万元、この表にはないのですが2021年には5.8万元だったので、2021-2024にかけて給料がなんと11%も減ったということになります。前年比でも▲3.7%、それでも結構な金額ではありますが、さすがにこれだけマイナスになるのは普通じゃありません。

給料が大きく増えている上海銀行

そんな中でも給料が大きく増えているところもありまして、上海銀行が前年比プラス16.1%、しかしこれは2023年に大きく減ったことによる反動であり、2022-2024年で見た場合約10%ほど減っています。大きく減っているところで見ますと、蘇農銀行が前年比▲15.4%、渝農銀行が▲21.3%とかなりのマイナス幅。どうもこの二行は不良債権にかなり苦しんでいるようで、その結果給料減ということになったのではないかと思われます。

中国の国有銀行の給料はどうでしょうか?

次にこの42行の中で国有銀行だけ抜き出して見ていきましょう。6大国有銀行(中国、工商、建設、農業、郵儲、交通)の2024年上半期の平均月収は2.4-2.8万元、このうち、工商・農業・中国・交通銀行は微減、建設銀行が▲5.3%、郵儲銀行が前年比▲10.2%となっています。

減給と減員が続いていきそうな中国の上場銀行

どうも中国銀行業界で減給はトレンドのようで、ここでは触れませんでしたが減員の動きも見られるようです。個人業務についてみると、日常業務はQR決済に奪われ、個人資産運用業務も株式市場がいまいちなので理財もあまり売れてなさそう。法人業務は景気の盛り上がりが欠ける中で資金需要が盛り上がらず、銀行によっては不動産業向けの貸金の負担が重いところもあるのではないかと思います。これら要因が重なっての銀行業界の減員、減給だということであれば、このトレンドはもう少し続くかもしれないですね。

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この記事を書いた人

神戸育ち。住友銀行入行後、大阪を中心にほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化、2005年に日綜(上海)投資諮詢有限公司設立に伴い同社の副総経理に就任し、2011年10月より独立し株式会社TNCリサーチ&コンサルティング代表に就任。

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