2016-02-23

中国人女性の化粧品消費

2015年の中国の化粧品小売り取引規模は4,843.9億元で、これが2018年には8000億元を超えると予測されています。これに関してアイリサーチ社が《2015年中国女性デジタルファッションユーザー白書-ビューティーコスメ篇》を発表していますので、これについて紹介します。

1.高額消費者比率のトップは西部地区

8000元以上を高額消費と定義しますと、この比率が最も高いのがなんと西部地区です。ただし、高級スキンケア類の購買率は全国平均よりも低くなっています。つまり、高額消費となっているのは高額品を購入するわけではないのですが、購買頻度が高いことによります。

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左:スキンケア 右:化粧

2.都市等級による化粧品の購買性向の違い

当たり前といえばそうなのですが、都市の等級が高いほど消費が大きくなっています。化粧品で見た場合、超級都市は5000元以上が35.9%と最も多いのに対して、その他の都市は1000元以下がほぼトップを占めています。スキンケアではなく化粧に関しては先端都市とそれ以外ではまだ購買性向が乖離しているようです。

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左:スキンケア 右:化粧

3.国籍別購買率

日本の化粧品はアジア人向けだから中国でも受けるとか、最近は韓国化粧品が伸びてきているとか言いますが、下記データを見る限り都市等級に関わらず、スキンケアるで最も売れているのは欧米系、その次が中国地場系であることが一目瞭然です。化粧品に関しては欧米系、日韓系、中国地場系の順番となります。

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左:スキンケア 右:化粧

下記棒グラフは全体データと大学生データの比較です。日韓系は価格が欧米系ほどでもなくコスパが良いということもあってか、全体データと比べて相対的に大学生は好んで使用していることがうかがえます。

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左:スキンケア 右:化粧

4.化粧品購買の動機

なぜその化粧品を購入するのかというデータです。化粧品の購買の原動力は、ニーズに基づいて購入するというのが最も大きく、購買を刺激する要素としては友人の勧め、販促の二つの要素が半数を超えています。広告宣伝は33.5%に過ぎず、これは達人推薦の38.3%よりも下回っていることから、化粧品購買における口コミ要素の強さを証明していると言えます。

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左:スキンケア 右:化粧

化粧品購買に際して重視する要素として、品質、功能効果、口コミ評価がトップ3、ここでも口コミの強さが示されています。

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さて、ここでも全体データと大学生データを比較してみます。友人の勧めを除けば、販促が購買を刺激しているという結果が出ています。販促湖による刺激は全体データと比べると8ポイントも大きく、広告よりも強く刺激していることがわかります。学生ですから、社会人ほどお金もなく、価格による影響が大きくなるのだと言えます。

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左:購買刺激要素 右:重視する要素

次に全体データとハイクラスを比較したものです。ハイクラスの方も口コミはもちろん重視するのですが、相対的に広告や達人による推薦のポイントが高いという傾向が見て取れます。

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左:全体 右:ハイクラス

5、年間消費

年間消費金額を見ていきます。スキンケアは3000元以下で半分近く、化粧品だと6割近くになります。しかし、1万元以上消費している人もそれぞれ16.6&、13.5%と決して小さな比率ではありません。

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左:スキンケア 右:化粧

高級品・中級品・低級品の比率を見ていきます。スキンケアも化粧品とも高級品の購買率が最も高くなっています。金額的には3000元以下で押さえられていますが、高級品を購入する比率が最も高くなっています。

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左:スキンケア 右:化粧

結論的には、ハイクラスの消費者はミドル・ローエンド商品を購入せず、ミドル・ロークラスの人でも高級品を購入するということが言えるかと思います。日常的にはほどほどのものを使いつつ、ここ一番の時には高級品でキメているのではないかと思います。

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