外国人観光客に知られていない2番手3番手の地方観光地

この間日本に戻った時に、兵庫県たつの市に行ってきました。たつの市の存在は兵庫県民としてもちろん知ってはいたのですが、わざわざ足を運んだのは初めてです。そのきっかけとなったのは、ある企業の方との会話の中で、その方がたつの市の出身だと知ったことでした。たつの市の名産はふと、揖保乃糸、無性に本場で揖保乃糸を味わいたいという衝動に駆られ、次回日本に戻ったときに必ず行こうと決めていたのでした。正直なところ、当初の目的は揖保乃糸を食べることだけで、それ以外には特に期待しておらず、食べ終わったら忠臣蔵の舞台といえる赤穂大石神社に行こうと考えていましたが、いざたつの市に到着してみると、その街の雰囲気がとてもよく、心地よく感じられました。観光客をちらほらと見かけたのですが、観光客がいることにも納得です。

たつの市は古民家風の建物が立ち並び、歴史的な景観が大切に保護されています。町の至る所で昔ながらの情緒を感じることができ、落ち着いた雰囲気の中におしゃれなカフェがあったりし、物販もしているのでそこでばっちりとお土産を購入することもできました。ちなみに揖保乃糸以外にも醤油の名産地ということを初めて知ったのですが、しょうゆもたくさん販売されていました。どうりで醤油工場がたくさんあるわけだ。

日本では中国ビジネスというとオワコン化しているというような声がたくさん聞こえてくるのですが、観光に関しては中国人にお金を落としてもらうのは今後も期待できるのではないでしょうか。富士山や京都のような超有名観光地はオーバーツーリズムに気を付けなければいけないレベルでしょうが、たつの市あたりだと観光客お姿が見えるといってもまだまだこれから。とはいえ、なんもないと思っていたたつの市、観光振興に向けた取り組みはしていたようです。こういう記事を見つけました。

まちづくり事業の資金問題をファンド活用で解決、空き店舗を観光交流拠点に再生、歴史ある兵庫・龍野の取り組みを取材した

地方振興というと何となく補助金頼みのイメージがあり、しかもその補助金目当ての近づく事業者や個人がそれを吸い取ってしまい、そいう言うところだけがにんまりして大した結果を残せないイメージがあるのですが、この記事を見る限り、補助金というよりもファンド、つまり民間資金を活用したようです。

たつの市は国宝姫路城のある姫路市からもそれほど遠くなく、姫路城目当てに来る観光客をうまく誘導することで更なる観光の活性化が図れると思うのですが、この記事を見ると姫路城に行く外国人観光客はいても、姫路に宿泊する人は少なく、そしてたつの市にやってくる外国人観光客はほとんどいないという。せっかく姫路城というキラーコンテンツがあるので、姫路を訪れる観光客をうまくたつの市へ誘導できれば、観光産業をさらに発展させること可能性は十分にあるのではないかと思いました。

何分外国人観光客にはたつの市の知名度は浸透していないでしょうから、それをどう知らしめるかが課題になるでしょう。城や古民家、鎧兜、そうめんなど、醤油、どれもこれもがスーパーオリエンタルテイスト、且つジャパニーズテイスト、この魅力をもっと積極的に発信することで、国内外の観光客を惹きつけることができるはずです。また、こういうところにも外国人観光客が来てもらえるようになると、一部超有名観光地のオーバーツーリズムを少し抑制する効果もあるのではないでしょうか。

たぶんこういう町って日本全国にいっぱいあるのではないかと。こういうまちが超有名観光地になり外国人観光客でいっぱいになってしまう前に足を運んでみてはいかがでしょうか。本当に街全体が情緒豊かでした。そして最後にもう一回、本場の揖保乃糸はうまかった!

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この記事を書いた人

神戸育ち。住友銀行入行後、大阪を中心にほぼ一貫して法人業務畑を歩む。上海支店赴任後は中国ビジネスコンサルティングに特化、2005年に日綜(上海)投資諮詢有限公司設立に伴い同社の副総経理に就任し、2011年10月より独立し株式会社TNCリサーチ&コンサルティング代表に就任。

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