2020-03-17

日常を取り戻しつつある上海

 3月16日付で《本市企業の復工生産再開(操業再開・生産再開)の市備案工作の調整に関する通知》という通知が出され、一般業種については操業再開するにあたって行われていた市に対す備案(届出)を取り消すことが発表されました。すでに上海市の規模以上の工業企業の操業再開率は99.5%、市民生活と関連するショッピングセンターと物流業界の操業再開率が100%、スーパーが99.1%、市場が98%、飲食サービス業が65.1%、美容美髪が43.1%、家政サービスが41.2%となっています。

 繰り返しになりますが、ポイントの一つ目としては、一般業種に関しては備案無しで操業再開可能、二つ目として、備案確認や国家関連部門の操業再開通知待ちの業種が大幅に減少、3つ目としては、市民生活と密接に関連する業界の操業再開生産再開ということで、多くの娯楽業に対して緩和が行われています。

 比較表にすると次の通りです。

  調整前 調整後
備案即操業再開       一般状況において、上海市工商業企業と個体工商戸の操業再開は「一網通弁」を通じて備案してから操業再開建築現場は住建部門の操業再開登記システムに備案して操業再開 備案取消
備案確認後操業再開 博物館、美術館、図書館、文化館、社区文化活動中心ゲーム娯楽、歌舞娯楽、インターネットカフェ、麻雀荘等の経営場所科学普及基地プール、フィットネスジム、フィットネススタジオ、各種球場等の公共体育場・館と経営性体育場所美容、沐浴業における湯船等の業務映画館 劇場や公演活動、映画館、麻雀荘の経営活動室内遊泳場、地下空間を利用する密閉体育場所の経営活動
国家関連部門から操業再開の通知待ち 旅行社とオンライン旅行企業が経営する団体旅行、「エアチケット+ホテル」旅行商品劇場と寄席興行オフライン教育研修活動 各旅行企業が経営する省(市、区)を跨る及び出入国団体旅行業務及び「エアチケット+ホテル」旅行業務オフライン教育研修活動

 これを見るとスポーツジム、美容、その他施設が復活する一方、人の移動が伴う旅行業に対してはまだまだ警戒しているように思えます。とはいうものの、ここ上海においては日常を取り戻しつつあります。初動の遅れが取りざたされていましたが、一番最初に騒ぎになった国であることから、おさまりも一番早くなりそうですね。

 ただし、残念なのはこれ。

「ウイルスは米軍のせい」「主席に感謝せよ」習近平の「焦燥」

中国も言わなくてもいいことを言ってるなあ。 いまさらこのウイルスをアメリカが持ち込んだなんて言ったって信じることなんてできないのですが、日本でいうヤフコメみたいなのを見ると中国ではこれを支持している人も少なくないようです。また、感謝しろと言われても素直に感謝することができる人はほぼいないでしょう。このあたりがどうしても残念でなりません。

関連記事