2016-02-29

越境EC税収改革が4月よりスタートか

 越境ECにとってビジネスモデルに影響を与えうる政策変更が行われようとしています。4月8日よりスタートすると噂されていますが、全国一斉にというわけではなく広州からスタートするというう見方があります。税関から正式に発表されていませんが、大枠はほぼ固まっており、次のような内容です。

  (1)一回の取引限度額2000元(従来の1000元より1000元アップ)、個人年間取引限度額2万元。

 (2)限度額内の商品の関税率は0%。限度額を超える場合、超過部分について一般貿易方式に準じて徴税。ひとつの分割できない商品の価値が2000元を超過する場合、一般貿易に従って輸入貨物全額に対して徴税。

 (3)輸入環節の増値税、消費税に対して30%減免(大部分の消費税の関係ない商品について、納税額は17%×70%=9%)。実施状況に基づいて適宜調整。

 (4)50元の徴収免除限度額を取消。

 主な商品カテゴリーの納税率は次のようになります。

キャプチャ

 これらによる生じると言われている影響を見ていきましょう。

1.低価格品の値上げ

 保税区を通じて輸入するスキームは行郵税がかかるのですが、その税率が上がるということは、当然値上がりにつながります。多くのケースにおいて行郵税50元が発生しない金額の商品、つまり低価格の商品に適用されていることから、この恩恵を受けていた商品の値上げは必至でしょう。逆に高額品は納税額が減りますので、有利になると言えます。

2.直送モデルは影響小

 高額品は納税負担を避けるために直送されるケースが多いです(もちろん100%納税を回避できるわけではありません)。どういうことかというと、行郵税が発生するレベルの金額の商品は、あえて保税区を通さず直送するケースが多いです。直送の場合、本来ならば行郵税が発生するものであったとしてもお目こぼしされるケースが多いのです。個人の一回あたりの取引限度額が1000元から2000元に引き上げられることもあり、直送個人輸入貨物の検査が強化されることが方針としてはっきり出されるようなことがなければ、直送モデルが採用されるケースが増えていくでしょう。

3.商品によっては一般貿易に移行

 越境ECで個人輸入する場合は小売価格に対して課税されます。一般貿易は仕入れ価格に対して課税されます。そのため、新政策に基づく税率を適用する場合と一般輸入に際して発生する輸入税を比較した場合、一般輸入のほうが有利になるケースも出てきます。ベビー関連とアパレル関連商品が一般貿易のほうが有利になるのではないかといわれています。

 新政策が始めるとしても4月以降と予測されていますが、それまでの間在庫調整的な動きが発生するかもしれません。ビジネスモデルを変えさせてしまいうる政策変更であり、今後色んな見方が出てくると思いますが、そのあたりフォローする必要がありますね。

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