2016-03-07

中国のテーマパークはまだまだチケット収入頼み

 上海のディズニーランドがついに今年6月16日にオープンすることが発表されています。日本の暦を調べたところなんと仏滅、中国には日本の暦は関係ないのでまあいいでしょう。

 さて、ディズニーランドという超大物テーマパークができるわけですが、今までの中国でのテーマーパーク事情について見ていきましょう。下図をご覧ください。ブルーが2015年より前に開業したテーマパーク数、オレンジが2015年以降に開業予定のテーマパーク数です。万達やりますねえ、20個以上も作ろうとしています。

テーマパーク

 さて、中国全土のテーマパーク、ここ10年で湧き出てきたものの内すでにクローズしたのが約80%あると言われています。なにゆえにここまで無様な結果となっているのかで言われているのが、①場所とハード(施設)の問題、②内容が不足(要は面白くない)、③利益モデルが単一化しており、関連グッズ等の関連商品が不足している等が挙げられています。つまらないのに入場料収入だけで稼ごうという形になっているというわけです。

 2014年上半期に、中国では建設予定のテーマパークが59施設あり、これは世界でトップ。そして2015年には21のテーマパークがオープンし、これとは別に20施設が建設中です。これらの数字に含まれているのは一定の規模とブランドがあるものだけのもので、水槽を入れただけで海洋テーマパーク、蛍を捕まえてきただけでホテルテーマパークと名乗っているようなものまで含めると1000とか2000もあると言われています。投資金額が500万元以上のものは約300施設、おのうち一定のブランド知名度、経営業績が比較的良好なのが約10%、収支トントンが20%で、残りの約70%が赤字といわれています。かつてフリードリヒというテーマパークが上海にあったようなのですが、1996年に開業したばかりの時は来場客がたくさんいたのですが、数か月もするとすっかり勢いがなくなり、当初180元だった入場料も10元にまで下落していたとのこと。

 ディズニーランドの収入のうち、60%がチケット以外の二時消費といわれています。ところが中国ではこの二時消費の比率は10%程度、ひどいところだと5%程度のところもあり、チケット収入に頼る比率があまりにも高くなっています。コンテンツや知的財産が不足しているので、二時消費してもらうものを用意できないということですね。このあたりは中国がまだまだ苦手にしている部分でしょう。ディズニーランドがやって来ることで、このようなレベルの低いテーマパークがより一層淘汰されるかもしれない一方で、ディズニーランドを見習ってちゃんとした収益モデル・ビジネスモデルを築き上げるテーマーパークが生まれるきっかけになればいいのではないかと思います。

関連記事