2015-10-25

中国の就業人気業界はインターネットと金融

 CIERという指数があります。就職市場の良しあしを測る指標です。その指数の計算式は、

 CIER指数=市場募集ニーズ人数/市場求職申請人数

 つまり、この指数が1より大きいとき、就職市場は求人が多いということであり、1より小さければ就職難ということになります。下の表を見てみましょう。青線が求職申請人数、オレンジ線が募集人数、数値がCIERです。時間軸で右から3つ目がなぜか20111Q1となっていますが、これを無視して見る限り、2011年の時点と比べると大幅に上昇、ここ最近は下落傾向ということがわかります。

 

 これは2015年のホワイトカラーの一人欠員あたりの履歴書を受け取る平均数量の推移です。どんどん増加してます。相も変わらず転職希望者が多いのでしょう。

 

 業種ごとに数値の違いを見ていきましょう。求人が旺盛なのはインターネット、ファンド/証券、保険、教育、不動産、仲介サービス、物流、財務会計/法律、交通、農林牧漁と続きます。インターネットと金融の人気が高いです。中国不動産バブルがやばいと言われてもうかれこれ10年以上になるかと思うのですが、いまでもなお求人は旺盛ですね。一方で、求人が旺盛ではないのが、会計/監査、エネルギー、航空、リースサービス、電気、オフィス用品、検査/認証、学術/科学研究、物業管理、反響保護と続きます。

 

 募集ニーズの高いインターネット・Eコマース関連はなんと求人ニーズが65%も伸びており、Eコマースの勢いを感じさせてくれま

 企業規模別のCIER指数を見ていくと、零細企業ではその伸びが52%と最も多きく、指数自体は小企業が最も高く、起業規模が大きくなるほど小さくなっています。中小企業の人材不足は中国でも同じようです。

 

 以上を見る限り全体的には就職しやすい状況といえますが、個人的には人件費コストとそのパフォーマンスが釣り合っておらず(もちろんちゃんとこなしている人もいることは否定しません)、こちらの改善が望まれます。急成長している時期は人材の取り合いになるので人件費コストとそのパフォーマンスが釣り合わないケースが多いのはわかるのですが、CIER指数が伸びているとはいえ成長スピードも落ち着いてきた最近ではそろそろ人件費コストとそのパフォーマンスが程よくバランスする方向に移っていって欲しいものです。

 

(資料出所:中国経営報)

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