2018-05-07

中国の飲食業の人件費が大卒や院卒の初任給以上?

 中国の人材会社58英才の調査報告によると、北京、上海、広州、深圳等の一・二線都市の飲食業社員の給料が高騰しているとのこと。高いところから10都市を並べると、北京、南京、広州、上海、深圳、杭州、合肥、蘇州、西安、武漢となっており、杭州の飲食企業の平均賃金はなんと5898元に達しています。縦の点線が2本走っていますが、左が4年制大学新卒の初任給、右が院卒の初任給です。

 多くの都市で飲食企業の平均賃金が4年制大学新卒の初任給を上回り、北京に至っては院卒の初任給までも上回っています。飲食業自体の市場規模が大きくなっているのに対して、人手の数が足りていないこと、長続きしない人も多いこと、あるいはデリバリーサービスやバイク便に従事している人たちの給料が飲食業の人たちと比べて高いことから、対抗するために上げざるを得ないといったことが理由として挙げられています。

 近年一部のお店でiPadやQRコードを使って来店客に自分で注文させたりするところがありますが、これをすることで人手を抑えることができるようで、今後ますます増えていくのかもしれません。

 しかし、初任給とはいえ飲食業スタッフの給料が中国で4年制大学新卒や院卒の給与と比べられるのはかつてあまり考えられませんでした。北京に至っては院卒の初任給まで上回っており、本当にこんなに飲食業社員の給料って高いのかとびっくりします。データは飲食業企業の賃金なので、店頭スタッフだけでなく、ベテランの調理師や本部スタッフもいるのでしょうが、大多数が店頭スタッフでしょうからこの金額水準は腑に落ちない。近所の飲食店の求人の張り紙の写真を撮ってきました。

 これ上海の写真ですが、職種にもよりますが、平均6331元という調査結果に対してやはり低い水準です。調査会社が拾うデータなので、ちゃんとした飲食企業のみを対象にした調査結果としての金額ということなのでしょうか。賃料増や原料高に加えて人件費もこれだと飲食業も大変ですね。中国で多店舗展開している日本の飲食業といえばサイゼリヤ、吉野家、すき家、カレーハウスCoCo壱番屋、ワタミあたりが浮かびますが、これらの企業も人件費負担が年々厳しくなってきているかもしれません。

 ちなみに下の写真は去年12月に取ったの上海のユニクロの求人広告です。5000元からのスタートで、その後最短どの程度の期間で職位がどうなり、どこまで給料が上がっていくかまで図示しています。ご参考まで。

タグ:
関連記事