2019-08-21

日本のアパレルブランド#FR2が中国でパクリ被害

ウェブサイトリニューアル後の初めてのブログ記事です。こんな記事を見ました。

https://ceno.jp/FR2/topics/190819_FR2_FUCKTHEFAKE

「エフアールツー(#FR2)」などを展開するcenoの石川涼代表は、中国国内で同ブランドを模倣しているとして、上海奢璞韵服飾有限公司に対し、抗議声明を発表した。

事態の詳細は元記事を読んでいただくとして、要するに日本のアパレルブランドのデザインが中国企業にパクられたという話で、それに対して抗議声明を出したというものです。どれくらい類似しているのか、そもそも類似しているどころではないのか、ちょっと見てみましょう。

まず日本のデザインから。

2匹のウサギが特徴的なデザインです。

次に中国のデザイン。

店舗オープン間近の案内
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イベントの様子

これは類似しているのではなく、完全なパクリといえるでしょう。デザインも文字の自体もまるで同じ。よくもここまでいけしゃあしゃあとやれるなあ。さらに付け加えると、デザインのパクリにとどまらず、ここまでくるとブランドのパクリ、ブランドそのものを盗んだといえるレベルかと思います。

そして、中国のWechat公式アカウントまでありますが、それがこんな感じ。

Wechat公式アカウント

ここでも思い切りロゴを使っています。

次に、中国での商標登録の状況を見てみました。デザイン商標を調べるは大変なので、文字で調べられるものとして「#FR2」で調べてみました。

3つの会社が出てきますが、今回の抗議声明の対象となっているのはこのうちの一つである上海奢璞韵服飾有限公司で、資本金額から見て他の2社と比べても大きな会社のようです。商標登録申請状況はほとんどが提出したばかりであり、まだ正式に登録されたものはありません。2019年1月に登録申請されたものは理由はわかりませんが7月に差し戻しとなっています。

申請した会社の概要はこちらです。

会社名称:上海奢璞韵服飾有限公司

法定代表人:李跃峰

資本金:1000万元

設立日:2018年8月6日

この法定代表人の李跃峰という人物、よくわかりませんでした。

さて、この中国の「#FR2」がパクリであることは実は中国のメディアでも7月の時点で報道されています。Supremeのパクリが現れたものの、Supremeは自らの知名度もあってうまく権利維持することができたのに対して、果たして「#FR2」はどうなるのだろうかという記事です。中国メディアでありますが、パクった中国側に対して否定的な内容の記事となっています。

本当にどうなるのでしょうか。こういうことが起きるとちゃんと権利をキープするために商標登録申請をしなかった方も悪いというようなことをいう人がいます。そういう考え方も分かります。しかし、外国での商標登録にまで気が回らないというのは実際にあるでしょうし、そもそも一番悪いのは悪意を持って商標登録申請をした人であり、パクった人であるはずです。名前がオープンになっていない日本のアパレルブランドで、商標登録が中国企業に先に登録され、それを取り返す(お金で買い戻す)交渉がうまく行かず断念した事例もあるやに聞いています。パクられるくらいの存在になれば大したものだという言い方もありましたが、それは本物が1万円のものが偽物だと1000円くらいで売られていて、購入層が重ならなければ影響もないのでいいかもしれないですが、今回の場合だとそういう感じでもなさそうです。上にも書きましたが、中国メディアの報道も中国企業にとってネガティブな内容であることから、日本側が法的な対応をすることで事態がオリジナルにとって良い方向に向かう可能性はあるのではないかと思いますし、そうあって欲しいと思います。

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