2021-07-05

中国養老サービス市場に再び脚光が集まる

中国日本商会が発表した《中国経済と日本企業 2021年白書》によると、養老サービス産業分野の日系企業が中国養老市場に参入しつつあるとのこと。最近とある日系の老人ホーム運営会社の方とお話をする機会があったこともあり、このニュースには関心を引き付けられました。個人的には2012-2013年ごろにとある企業からの相談を受けて中国高齢者ビジネスについてかなりりのめり込んだ時期がありました。そのころ中国の養老ビジネスは目をつけるという意味でちょっとブームだったといえるでしょう。そのころから今に至るまでの間、福祉機器類はそれなりに動きはあったのでしょう。しかし、高齢者向け「サービス」となるとなんとなくその後落ち着きを見せていたように思うのですが、また盛り上がってきているみたいですね。私が最初にのめり込んだ時期の中国企業の考え方は、比較的元気な高齢者相手にサービスを提供するという意識が強かったように思います。元気でない人を相手にするのは面倒だという意識が強かったのだと思うのですが、今では中国の養老サービス提供者でも認知症介護に関心を持つようになり、ここに自らの特色を打ち出そうとしているところも出てきています。日本は一足早く高齢化社会に突入したこともあり、このあたりのノウハウは中国企業よりも先行してるはずで、ビジネスとしてうまくいかせる分野になる可能性があるでしょう。

冒頭に戻りますが、《中国経済と日本企業 2021年白書》ではどんどん養老サービス産業分野の日系企業が中国養老市場に参入してこようとしており、その範囲としてはサービス類(養老施設運営、在宅養老サービス、人材育成)、養老施設設計と建設、看護サービス等の施設運営システム、補助器具、補助用品、保健食品等が含まれます。高齢者ビジネスと聞くと介護するというサービス、補助するための器具・用品、健康食品というのが最初に浮かぶのですが、ここにもあるように養老施設設計と建設にもニーズがありますね。ちなみにこの白書、中国日本商会の会員でない方でも見ることができますので、ご興味にあるかたは是非ご参考ください。http://www.cjcci.org/detail/576/576/3930.html

内容は高齢者分野だけに限らないので、多くの方が参考にすることができると思います。

コロナの関係もあって現時点で中国に拠点のないところは現地視察ができず、プロジェクトを進めることも難しいでしょうが、中国での高齢者ビジネスの展開を考えている企業は、今後の業務展開に向けた意思決定の参考にすべく、継続的に情報を集めていくのがよいでしょうね。

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