2022-11-07

屋根置き太陽光パネル設置にあたっての懸念点

 前回に続いて屋上設置型太陽光発電に関する話題です。屋上に太陽光パネルを設置を検討するにあたり、気になる点がいくつも出てきます。大きくは次の4つになります。

(1)設置コスト

 太陽光パネルの設置には当然費用が発生します。自己資金が潤沢であれば自己投資による設置で進めればよいでしょう。しかし、後々のメンテナンスを面倒に感じたり、手元資金をできるだけ留保しておきたいということであれば、前回の記事で紹介したPPAスキームは一切の費用負担が発生しないので、まさにうってつけのスキームであるといえます。

(2)屋根強度

 最近でこそ太陽光発電が話題になっており、新築の工場であれば太陽光パネルを設置するに足る耐荷重での構造設計が行われるようになっていますが、そもそも太陽光パネルを屋上に設置するという発想がなかった時代には、その当時の構造基準で建設されたものがほとんどです。そのため、太陽光パネル設置をしたくとも、屋根強度が不足するという理由で断念せざるを得ません。そして、これを解決する方法としては①あきらめる、②強化工事を行う、③軽量型パネルの設置、対応するとすれあば②か③ということになります。PPAスキームであればこれらのコストも売電価格の割引率を調整することを通じて投資者が吸収します。

(3)漏水

 太陽光パネルを設置するという話題になると、実はところどころ上から漏水しているという声が出てきます。当然これは処理しないといけない問題であり、自己投資であれば自己資金で解決する必要があります。PPAによる第三者投資であれば屋根の防水措置、場合によっては屋根の交換のコストを第三者に負担させることも可能です。PPA実施後に発生する電力代金の割引率を調整することでこのコストが吸収されます。太陽光パネルの設置よりも、これを機会に漏水問題から解放されることに喜びを感じる工場もおられます。

(4)設置作業による生産活動への影響

 建物構造の強度が十分で、単純に太陽光パネルを設置するだけであれば、設置作業により生産活動に影響を与えることはありません。しかしながら、強化工事が必要となる場合、生産活動を停止せざるを得ない局面が出てきます。もし、建物外部からの強化工事が可能であればよいのですが、そうでない場合、つまり内部から工事する必要がある場合、非営業日あるいは夜間に工事を集中することで強化工事を進めるという方法があります。ただし、工場は必ずしも週休二日とは限らない、工場によっては24時間稼働しているところもある、このようなケースもありますので、実際のこの問題に対処するにあたってはケースバイケースで検討する必要があります。

次回はPPAスキームの投資者との情報交換した時のお話について書いていこうと思います。

 

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