呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

2018年中国広告市場からもうかがえる中国の景気減退

 今日は中国の広告市場について紹介します。

 2018年の中国広告市場は上半期は前年比9.3%のプラスとなったものの、下半期はぱっとせず、通年で2.9%(▲4.3ポイント)の着地となりました。思ったほど伸びていないです。てっきり調子のいい業界と思ってました。下期が足を引っ張ったということですが、昨年下期から景気がよくなくなり、広告支出を抑えるようになったということのように思われます。うーん、これを見ると景気が良くないといろいろ聞かされますが、やっぱりよくないのかなあ。まあ、そもそも母数が大きいので、ある程度成熟してきて伸び率が鈍るのはわかるのですが。

広告市場

 

 伝統媒体の広告費だけを抜き出すとは前年比▲1.5%と落ち込みを見せています。2014年から一気に潮目が変わった感じですね。

伝統媒体

 

 メディア別にみていきましょう。

 

伝統メディア

 伝統メディアの内訳を見ますと、新聞が2年連続して大きく落ち込んでいます。雑誌は2017年が▲18.9%、2018年が▲8.9%で、中国でも紙媒体はしんどい状況。屋外広告は2017年は▲1%だったのが、2018年には▲14.2%とこちらもかなりの落ち込み。テレビは2017年は+1.7%とわずかな伸びを見せていたものの、2018年は▲0.3%となっています。ラジオが伝統メディアで最も伸びていますが、それでも207年が+6.9%、2018年が5.9%で、伸び率が落ちてきています。まあ、伝統メディアは厳しい状況にあるのは間違いないでしょう。

伝統メディア2

 

テレビ

 テレビの中では中央電視及び省級衛視の広告費がかなり伸びています。このあたりのプレゼンスはまだまだ力強いものがあります。これは国営企業系が支えているのかな?

テレビ

 

 

生活圏メディア

 生活圈メディア(エレベーター内ポスター、動画及び映画館映像)について見ますと、エレベーター広告は結構伸ばしています。確かにエレベーターに乗っていると手持無沙汰なので広告をついつい見てしまいますよね。映画館も伸び率こそ落としていますが、それでも2018年は前年比+18.8%、なかなかのものです。映画を見る人も増えてきていますし、映画館でスクリーンに映し出されるとまず見ますので、結構広告価値が高いと認められているのでしょうか。映画館はそんなに頻繁にいくところではないので、あまりはっきりと覚えていないのですが。

生活圏

 

広告支払業界トップ5

 さて、2018年のメディア全体の広告支払トップ5の業界は、通信、飲料、薬品、食品、商業及びサービス業、となっています。これら5業界のうち、飲料業界の広告支出は前年比+3.8%、食品業界が前年比+1.1%、それ以外はマイナスとなっています。薬品の落ち込みが目立ちますね。

広告支払トップ5

 

 通信業界とはインターネットサービス、携帯電話及び通信キャリアの3つを指します。

 ラジオ媒体、伝統屋外メディア及び生活圈メディアを主な広告チャネルとしており、伝統屋外広告では前年比+6.1%、エレベーターメディアでは広告料がトップとなっています。

  飲料業界の広告はテレビとエレベーターテレビに集中しています。

 食品業界はテレビ媒体で主に菓子類、ラジオ媒体で保健食品と菓子類の広告が多く出ています。

 

広告支出企業ランキング

 業界関係なしにどの会社がたくさん広告費を支払っているか見てきましょう。トップはコカ・コーラ、広州医薬と宝洁(P&G)が続きます。トップ10のうち、5社が医薬保健企業です。

広告支出企業ランキング

 

広告支出ブランドランキング

 次に、会社ではなくてブランドで見ていきましょう。トップは日本人にはなじみがないと思いますが、鴻茅、前年の半分に減っていますが、それでもトップです。前の年にどんだけ使ったことやら。その次に同溢堂(+73.5%)と葛洪(+68.6%)が続きます。トップ⑩のうち5つが医薬保健ブランドです。日本人が見て気づくブランドだと6位の伊利、9位のケンタッキー、10位の蒙牛、11位のエスティローダー、12位旺旺、13位ワイス(Wyeth)、14位スプライト、15位コカ・コーラ、16位王老吉、17位天猫、といったところでしょうか。

広告支出ブランド

 

 

 媒体別に見ていきましょう。

 

ラジオ

 まずはラジオ。小罐茶がなんと10倍近く増やしています。その名の通り、お茶が商品の会社です。

ぐあんぼ

 

新聞

 新聞はトップ10のうち、中国電信のみが増やしています。新聞広告はもうこれダメだな。

新聞

 

エレベーターテレビ

 新銘柄として今話題のラッキンコーヒー(瑞幸)!もうひとつ赤で囲われている瓜子は中古車販売。今の中国で中古車ってどうなのかなあ。だいぶん前に一度研究したときは、そもそもお古を欲しがらない人が多いうえに、中古車の評価をちゃんとできる人材がいないというものだったのですが、今は大分改善したのかな。

エレベーターテレビ

 

 

エレベーターポスター

 同じエレベーターでも映像ではなくてポスターを見てみましょう。トップは幸福というブランド。正直知らん。飛鵬というのもものすごく伸ばしていますが、これも知らん。見たらわかるのかなあ。そしてこちらもラッキンコーヒーが新たにランク入り、おととしは存在していなかったからねえ。

エレベーターポスター

 

 

映画館映像

 映画館映像について見ていきます。この間久しぶりに映画を見に行ったのだが、うーん、正直どんな広告が流れていたのか覚えてない。映画の宣伝と犯罪防止の映像ばかりだったような。。。

映画館映像

 

 以上、中国広告市場について紹介しました。上にも書きましたが、新聞広告はもうあかんな。それと、これだけ動画が発達してきている中でテレビ、特に中央電視が増やしていますが、これと広告支出企業ランキングを見比べると、薬品会社がけっこうテレビ広告を出しているのかなあと思いました。


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