2024-02-21

デフレの象徴

個人的に100円ショップと1000円カットはデフレの象徴と思っている。

中国にもダイソーが出店しているが、完全にダイソーと同じような感じで展開している小売店舗はないように思う。近いところでいえばメイソーがあるが、価格帯が均一とは言えないほどばらつきがあり、そこまで安いとも思わない。価格帯だけでいえば町の雑貨屋さんのほうが100円ショップに近いように思う。

1,000円カットのコンセプトの散髪屋は前からあるがあちこちで見られるかというとそこまでではない。地方に行けば10元カットもあるが、上海あたりだと安くても20元カットくらいになる。チェーン展開していない家族的な散髪屋も同じような価格帯でやっているところもあるだろう。チェーン展開しているところはたくさん店舗数があるわけではないが、探せばなくはないというレベル化と。

そんな低額の散髪屋が上海アピタ内に現れた。アピタは上海に住む日本人にも親しまれており、所謂上海で一番人気の日系スーパーだと思われる。こちらでは輸入品もそこそこ棚に並んでおり、そこそこの値段の商品のものが多い。超高級とは言わないが、高級の部類に入れてもいいだろう。冒頭で1,000円カットはデフレの象徴と書いたばかりだが、こんなスーパーのふもとに20元カットの散髪屋が現れたのである。

デフレの象徴がやってきた。日本の報道でも中国のデフレについて紹介されていたりするが、実際のところどうなのかについて数字を拾ってきてみた。

ここ3年で見る限り、2022年5月に一度ピークが来て、2023年1月にちょっと戻して以降は消費者物価指数が下落しているのは明らか。全体トレンドで見ると2022年以降は下落トレンドといえる。2022年末あたりにコロナの大量感染があり、それがひと段落した2023年春先あたりからぐっと盛り返すと誰もが思っていたのだが、なんとこの表を見ると春先である2023年4・5月はボトム、そして今年1月がそのころに近い数値。なかなか大変な状況である。飲食店にお話を聞いても客足が減った、客足はキープできてるが客単価が減った(以前ほど酒の注文が出ない)というような声も聞こえてきたりする。日本の報道に対して必要以上にネガティブな報道をしているという人もいるが、この表を見ればネガティブ報道されても仕方ないように思う。

中国の不動産業がGDPに占める割合は約3割といわれている。個人的には不動産業に貸し込んでいる金融機関がどんな決算を出すかが気になっている。中国銀行の年度報告は昨年4月下旬にウェブサイトにアップされており、今年も大作そのころになると思われるので、中国銀行だけでなく主だった銀行の決算についてみていきたい。

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