2017-10-02

中国誘拐事情

 昨年9月に多くの日本人が集まる上海古北にある6歳の日本人の女の子が誘拐されかけたという事件があったことを覚えていますでしょうか。その時女の子は腕をつかまれて連れていかれそうになったのを振りほどいて家族の元に戻ったのですが、誘拐目的だった可能性があります。こんな町のど真ん中で恐ろしい話です。上海は治安がいいといわれますが、油断なりませんね。

 さて、そもそも中国って誘拐が多いのか?決して少なくはなく、2016年6月から2017年6月までの間で結審した誘拐事件の裁判が100件ほどありました。100件は多いと思うでしょう。私もそう思うのですが、ほんとのホントに治安の悪い国だとこんなもんじゃないようです。ちなみに世界誘拐マップをご覧ください。色の濃い地域ほど危険であることを示しています。

 中国の中では地域的には広東と広西で3割近く、この二つを含む東南沿海部(浙江、福建、広東、広西、海南)で約4割発生しています。

 誘拐対象は9割が大人、1割が子供です。大人の人で狙われた主な対象は、一人で車を運転していた女性、タクシードライバー、風俗店勤務女性、賭博関係者、ねずみ講関係者だそうです。対象者の属性を見ると日本人はほとんど関係なさそうで、せいぜい一人で車を運転している女性がいるかもしれないくらいでしょうか。

 誘拐目的としては1割が報復、ストーカーの延長、精神疾患者によるもので、9割がお金目的です。身代金要求額は途方もない金額というのは多くありません。

 身代金目的の誘拐93件の中で、100マ万元以上要求しているのが15件、2割もないんですよね。そして身代金で一番多いのが1-10万元、なかには1万元以下というのが6件もあります。所得水準の低い知己のものかと思うのですが、それにしてもたかだか1万元という金額で誘拐をするとは。

 駐在で来られている方はある程度守られた環境の中で生活しているでしょうが、地方に行くとそこまで守られた環境でないところもあろうかと思います。用心するに越したことはありませんね。

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