2020-02-25

コロナ肺炎の影響でメイソウが給与カットへ

 コロナ肺炎対策で飲食店の営業が制限され、大きく打撃を受けている企業が少なくなく、大手であっても非常に厳しい状況にあるようです。営業できなければ収入が入ってこず、しかしながら店舗賃料は支払わなければならないですし、抱えている従業員にも給料を支払わなければなりません。

 西贝莜面村という中華レストランがあります。このままでは3ヶ月持たないという声を発し、この状況を乗り越えるべく銀行から4.3億元の借入枠を得ることができました。そして日本にも出店している火鍋屋さんの海底捞も複数行から合計21億元の借入枠を設け、1回目の借入として2月19日に8.1億元の借入を行っています。こういう大手は銀行から借り入れできますが、そうでないところはなかなか厳しいでしょう。

 昨日たまたま知り合いの飲食店経営者にお会いしたのですが、銀行から借り入れできるようなところがいいけれども、そうでないところはどんどん淘汰されていくだろうし、淘汰される前に放り投げて店閉まいする人も出てくるだろうと。この方の場合、10店舗近く経営しており、全店舗が閉店しているわけではないものの、それでもこの苦しい時期を何とかして乗り越えたいと頑張っているとのことです。そして、コロナ肺炎対策が少し落ち着いてきたらいままで我慢していた人たちが我慢疲れの反動で、一気にというわけにはいかないまでもじわじわ戻ってくるのではないかとみています。我慢疲れ、わかりますねぇ。外食もそうですが、映画、コンサート、舞台といった人が集まるイベントはことごとくキャンセルになっていますし、飲みに行くような場所も営業していないところばかりです。ここ最近人の動きが大きくなってきましたが、まだまだ恐怖心を抱いている人が多いせいか、ショッピングモールなんかでも人がガラガラだったりします。ちなみに先日行った長風大悦城というショッピングモールはこんな状況でした。中心区でないとはいえ、それにしてもガラガラです。

 最初に飲食店のお話をしましたが、小売店も結構厳しい状況にあります。ショッピングモール自体がガラガラということは、お店を開けていてもとにかくお客さんがいないわけですから、売り上げは大きく減少してしまいます。中国に住んでいたり、中国ビジネスに携わっている人であればだれでも知っているメイソウ(ロゴはミニソー)という小売店があります。

 

 1月の売上は前年比▲30%、2月はもっと激しくなんと▲95%と惨憺たる状況です。3分の2以上の店舗を閉店しており、オープンしている店舗でも以前ほどの来客数には到底至ってないでしょうから、この結果も致し方ないといえるでしょう。このような厳しい状況であることから、会社側は従業員に対して待遇の引き下げを申し入れしています。それがこれです。

 解像度が低いですが、日本語で要点をまとめてみましょう。

(1)給与について

  • 1月分の給与(2月支給)について、従来の80%で支給
  • 2・3月分給与は等級ごとに以下の金額を支給

・高級管理職、総監級以上:50%

・経理から高級経理:60%

・基層(現場)従業員:70%

・その他業務量が少ない場合、上述の金額からさらに減額。

・なお、3000元未満の給与の場合は減額せず、減額することによって3000元を下回る場合は3000元を下限とする。

(2)無給休暇

 状況に応じて無給休暇を申し入れ。原文は停薪留職なので直訳で無給休暇としておりますが、この文書では従来の30%の給料を支給しつつ休んでもらうという内容になっています。

 この文書の最後に「2月23日24時までに以下のリンクをクリックして確認を行ってください。上述要求に従って反対意見を回答しない従業員は同意したものとみなす。」とあります。これに反対しても今現在の環境下で次の仕事を探すのも難しいでしょうから、おそらく多くの従業員がこれに同意しているのではないかと思われます。リストラと言えばリストラですが、あくまで減給までであり、解雇までにはいたっておりません。これを評価する人もいれば、今までさんざん儲けてくせにというやっかみもあり。いつの時代でも文句ばかり言う人はいますので、これもしょうがないです。しかし、メイソーという知名度のある会社がこのような措置を取ったことは、他社に対するアナウンスメント効果にもつながり、同じような措置を取るところも出てくるのではないかと思います。企業としては致し方のない措置ではありますが、ものすごい数の企業で同じようなことが行われるとそれも大変です。早く状況が落ち着くのを待つばかりですね。

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