2016-04-09

タクシーアプリならぬトラックアプリ

 中国に住んでいればタクシーアプリの存在を知っている人は多いでしょう。タクシーに乗りたい人とお客さんを拾いたいタクシー運転手をマッチングするアプリですね。実はこれのB2B版があるのです。荷物を送りたい荷主と荷物の運送業務を受託したいトラック運転手をマッチングするアプリです。なにぶんB2Bなので、業界の人でもなければ日常生活の中で触れる機会はまずないでしょう。業務フローのイメージはこんな感じです。

キャプチャ

 この物流プラットフォーム、いわばトラックを持たない物流業者といえます。中国のトラック運転手はしっかりとした物流会社に所属している人もいれば、営業性個人のようなトラック運転手も多く存在しています。昨年7月の新聞報道によると全国約1400万台のトラックのうち、500余万台が営業性個人とのこと。こういう人たちをうまく活用するビジネスモデルですね。発注者からするとこの物流プラットフォームはトラックを持っていないので標準化されたサービスが提供できるのか、どこまでちゃんと管理できているのかといった不安がぬぐえないようですが、プラットフォーム側は登録している運転手に対する評価を行っており、評価の低い人は淘汰されます。マッチングに際して、プラットフォーム側は荷主の要求に合うトラックをマッチングさせるようにデータを活用し、これにより荷主の要求に合うトラックが最終的マッチングされるとのことです。荷主側が持つ「自社トラック持ってないよね」という不安に対してはこうしたことを続けていくなかで払拭していくしかないでしょう。

 さて、このような物流プラットフォーム、物流会社が繁忙期に協力会社が不足する場合、それを補う形で使われるケースはもちろんあるのですが、そもそもの荷主が最初からこのような物流プラットフォームに依頼しているケースもあります。おそらく荷主は普通に物流業者に依頼しているのでしょうが、その物流業者が受けきれない量の発注をこの物流プラットフォームが受けていくうちに徐々に取引量を増やしてきたのではないか思います。最初からこのような物流プラットフォームに依頼する企業が増えてくると、通常の物流会社にとっても無視できない存在になってきますね。

 このような物流プラットフォームの会社の創業者と約2か月前に知り合ったのですが、その時は更なるビジネス拡大のために資金が必要なので投資してくれる会社を探してほしいという話でした。私のほうでもいろいろと動いてみたのですが、今日会って話したところなんともう700-800万元の投資がほぼまとまるとのこと。なんともまあ速いものです。投資しようとする会社がいるとして、良さげな会社にはすぐに投資する人が現れるので、うかうかしているとすぐに持っていかれてしまいます。なので急いで投資しなきゃという気持ちが強いのでしょう。かといって、良さげでない会社に投資するわけにもいきません。どこまで内容を精査して投資しているのかという問題はありますが、このスピード感についていける会社でないと投資案件をまとめ上げるのはなかなか簡単ではないですね。

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