2016-06-03

日系飲食店も中国で資金調達してみては?

 日本の飲食店で2ケタ以上の出店ができているのは思いつくところでいうと、吉野家、coco一番、すき家、サイゼリアといったところでしょうか。もっとあるかもしれませんが、今書きながら思いついたところはこれだけです。なお、味千ラーメンは私の中では日系というよりも香港系のイメージなので、ここでは外します。

飲食店の店舗数を増やそうとすると、資金が潤沢であれば直営店を出店すればいいですし、できるだけ資金を抑えつつ出店数を増やすのであればフランチャイズ展開する必要があります。上にあげた銘柄でフランチャイズ展開しているのは吉野家だけかと思いますが、確か香港系の会社といっしょにやっていたかと思います。資金をどんどん投入するのはリスクが高い、フランチャイズ展開しようにもうまくコントロールできるかに自信が持てない。多くの日系飲食店はこのように考えているのではないかと思います。そこで今日紹介したいのは、中国で飲食店が結構な資金調達ができているという事実です。

下表は今年1-5月に飲食関係で資金調達した企業とその金額の一覧です。飲食関係なので、店舗型のレストランとなると数は限られるのですが、それでも賽道火鍋というところが500万元超、小恒水餃が5000万元、遇見小面が数百万元、邢小爺が1000万元、嘉和一品が2.98億元などなど、他にもあるのですが、とりあえず上のほうから書いてみました。どれもこれも結構な金額です。飲食店ではなく飲食系のアプリなのですが、新美大はなんと33億米ドルも調達しています!

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要するに飲食関係に投資したい企業やファンドがたくさんあるということです。私のほうにもとある中国系のファンドから日系の飲食関係で面白そうな投資先がないかと時々聞かれます。ちょっと動けていないのでそろそろ動いてみようと思っているのですが、日系の飲食店に対する関心は意外と高いようです。思い起こせば2012年頃だったでしょうか。とある台湾系のドリンクスタンド会社の董事長とお話しする機会があったのですが、その時点で日本食というのは業界でもかなりホットだったようなのです。ところが、反日デモ等が発生してしまいせっかくのその熱が冷めてしまい、本当にタイミング的にもったいなかったというお話をされたことがあります。ただ、日本側がファンドという出資会社に対してどのような印象を持つかという心配はあるのですが。

現在の日中関係が良好とは言いませんが、さすがに2012年の反日デモのような雰囲気はないですし、実際に日本食レストランの中国人比率も以前と比べると増えてきています。日本食に限らず、日系がやっている洋食関係やカフェなんかも面白いと思います。日本に旅行に行った中国人が日本で飲食店舗のサービスを受けて帰ってくる、これだけで日本の飲食店の印象はよくなるでしょうし、日本と中国の両方に店舗があれば、お互いの店舗の宣伝効果にもなるのではないかと思います。以前一つスイーツ系でお話をもっていったことがあるのですが、時間がたつにつれトーンダウンしてしまったので、今度は話があれば一気に進めていければと思っています。こういうのは勢いも大事ですからね!

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