2021-02-03

家賃と保証金にまつわる話 in 中国

今日は住居の家賃の支払い方について書いてみます。

ここ上海では家賃の支払い方法として、「付一押一」(家賃一か月保証金一か月)や「付三押一」(家賃3か月保証金一か月)というような表現をよく聞きます。要するに入居時に家賃一か月分相当の保証金を支払い、家賃については毎月払いまたは3か月払い(いずれも前払い)というのが多いかと思います。傾向としては高額物件は毎月払い、そうでないのは3か月払いが多いのではないかと思います。「付二押二」というのも聞いたことがあります。なんでも、地方によっては1年払いさせられるところもあるようです。駐在員であれば会社が支払ってくれるのでどうってことないでしょうが、家賃を自己負担する場合、中国にやってきて早々いきなり家賃1年分、これに加えて保証金まで払うとなると相当な金額になるので、結構しんどいのではないかと思います。

さて、北京の話をしますね。最近北京であまり長期で家賃を徴収することはまかりならぬという通達が出ました。「長収短付」(長期にわたる家賃を短期で支払うこと)を禁止するというものです。払う側としてはこれはありがたい。3か月でも長いと思いますが、美容、散髪、マッサージでよくみられるのですが、高額プリペイドカードをやたらと売りつける先払い文化が蔓延している中で、3か月はぎりぎり許せる範囲ではないかと思います。

家賃のほかにもう一つ気になるのが保証金ですね。保証金は通常大家さんに払う(というよりは預け入れる)わけですが、退去するときにそれがちゃんと返ってくるかどうかが気になります。個人的には駐在員時代に住んでいたところでトラブルがありました。駐在員なんて会社の辞令次第でいつ帰国することになるかわからないので、一定期間の事前通知することで保証金を返還してもらうという条文を契約書に追加していたのですが、この大家、そもそもそんな文言を守るつもりはさらさらなかったようです。ちゃんと1か月以上前に通知したにもかかわらず退去時になんとそのオーナーは保証金を返さなかったのです。言ってることがもうめちゃくちゃでした。「外国人には保証金を返す必要なんてない」(契約は法人名義なのですが)、「大家は中国国籍の人間ではないので中国の法律なんて適用されない」、などというとんでもないことをほざいています。この物件の管理は大家がフランス在住ということで代理人に任せているのですが、この代理人がさらに代理人に任せているというもので、日常のやり取りや家賃入金の管理はこの代理人の代理人(ここでは二次代理人と呼びます)が行っていました。当然二次代理人とやり取りするわけですが、この二次代理人は急に自分は関係ないと言い始めたのです。そこそこ家賃も高い物件なのですが、そんな物件でもこんなトラブルが起こってしまったのです。カウンターパートの二次代理人も、確か温州人で、同じ高級マンションに住むちょっとした金持ちの人ですよ。

本来なら私が解決しないといけないのでしょうが、なにせ退職してしまったわけですし、退去前にやるべきこともやっていて不手際もなかったので、その後は引継ぎという形で会社のほうに任せました。聞いたところでは結局保証金は返却されず、保証金見合いの金額の発票を発行するということで決着したそうです。この大家、なめてますね。長州力だったら「キレてないよ」なんて言わず、間違いなくキレるでしょう。ほんと、「俺キレさしたら大したもんだ」レベルの話かと思います。

また、知人(FB友達でもある)のケースですがやはり保証金返却でトラブり、その人は豪快な人で、お返しとばかりに部屋内の家財(中国の賃貸物件は家具付きがほとんど)を持ち出そうとし、そしたら公安までがやってくる騒ぎになったとか(Uさん、確かそんなでしたよね?)。

だいぶ昔話が入ってしまいましたが、この度北京で出た通達では保証金は家賃の1か月分相当額まで、そしてそのお金は北京不動産仲介業協会の専用口座に預け入れるというルールができました。賃貸契約が終止すると、大家は2営業日以内に協会に通知し、それを受けた協会は1営業日以内に保証金と預け入れた期間にみあう利息が返却されるとのこと。めっちゃいいじゃない!家賃の支払い方法といい、保証金の預け入れ方法といい、これは全国的に適用してもらいたいですね!

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