2023-10-13

レジャー食品上半期の成績表:6割の企業の売上高が増加

2023年上半期の中国のレジャー食品業界の上場企業の業績ランキングが発表されました。本日はその内容について紹介いたします。”レジャー食品”は、お菓子やスナック類などを指す言葉で、日本でもおなじみの商品です。ここで取り上げられる企業は、日本の食品メーカーにとって競合相手と言えるでしょう。

6割の企業が売上増加

聯商網小売研究センターの発表によれば、2023年上半期に上場している16社のレジャー食品企業のうち、約6割が売上を伸ばしました。逆に言えば、4割の企業は売上が減少しました。純利益ベースでは7割の企業が増益を達成しましたが、3割は赤字という結果となりました。興味深いことに、私が良く見かけるブランド(良品鋪子、三只松鼠、来伊份)ほど業績が低迷しているようです。

1990年代に外資系大手スーパーマーケットが中国市場に進出し、中国のスーパーマーケット業界も発展し始め、多くのレジャー食品ブランドはスーパーマーケットを重要な販売チャネルとして活用しました。このモデルでは、一般的なお菓子が製造された後、一次および二次卸売業者、スーパーマーケットの入場料、バーコード代、陳列費、販売促進費などが必要とされました。お菓子メーカーはこれらのコストを考慮に入れて価格設定を行い、利益を確保する必要がありました。

しかしながら、時代は変化し、消費者の購入方法が多様化し、中間コストを必要としない価格設定が可能になってきました。依然としてスーパーマーケットでの販売は多いものの、その比率は低下しています。統計によれば、2022年の時点でスーパーマーケットはレジャー食品の販売シェアの46.3%を占めていますが、EC(電子商取引)市場への競争が激化しています。売上高ランキングで9番目の塩津鋪子の場合、スーパーマーケットが売上高の28.9%を占めていた2021年から、12.85%にまで低下しました。

様々なお菓子を提供する専門店が増加しており、これを受けてレジャー食品企業は自社ブランドの強みを活かし、自社商品のみを扱う店舗を展開する動きが加速しています。 2023年上半期、良品鋪子は湖北省、広東省、四川省、江蘇省などの主要都市に新規店舗を323店舗オープンしました。良品鋪子の実店舗は2023年上半期末時点で全国178都市に広がり、総店舗数は3299店に達しました。さらに、彼らは「零食王国」という店舗を武漢に7月にオープンさせ、店舗面積は驚くほどの1200㎡で、自社商品の他に輸入菓子、現地製造のお菓子、低糖質お菓子、低カロリーお菓子、コーヒーなど、3000種類以上の商品を提供しています。

この新たな試みは話題を呼び、オープンからわずか3日で売上高76万元を達成したとのことです。このような展開は宣伝の観点からも重要であり、今後の展開が注目されます。伝統的な店舗型、多ブランド多品種の店舗型、量販店型など、さまざまな店舗型を模索していく予定です。今やいたるところにショッピングモールがあり、どこもかしこも同じようなブランドの店舗ばかりなので、このような形態もすでに一部ありますが、今後さらに増えていくかもしれないですね。個人的には日系ブランドでも同じような店舗があると嬉しかったりします。

「洽洽食品」もヒマワリの種やナッツの業務に焦点を当て、量販菓子店の展開を加速させており、既にいくつかの量販店と提携し、出店を継続しています。塩津鋪子もいくつかのディスカウントブランドと提携しており、「零食很忙」がシェア7.3%を占めており、2位のウォルマートと3位の歩歩高の合計を上回る数字となっています。ネット販売も、以前は京東や天猫が主要なプラットフォームでしたが、拼多多や抖音にシフトしてきており、競争も激化しています。しかし、最も大きな影響を受けているのは、量販菓子店が大型化し、成長し続けていることで、これが販売チャネルの変化に大きく影響し、ひいては業界全体の構造の変化につながっているかもです。

レジャー食品企業にとって、販売ルートの変化に対応していくことは非常に大事で、さすがに今まで程のスピードの速さで変化していくことはないでしょう。とはいえ、このトレンドの変化にどのように適応していくかが大事になってきますね。

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