2020-08-24

コロナ禍だからこその人材採用

 何気に日本のテレビニュースを見ていたところ、コロナの影響が最も大きい業界の一つである飲食店について取り上げられていました。どん底の時はアルバイトを減員しまくっていたのですが、いまは状況がかなり改善してきているようで、逆張りするがごとく店舗を増やしていこうという方針になったとのこと。増やす場所といっても都心のど真ん中ではなくちょっと郊外のほうで展開していくとのこと。そういえばこんな記事が出てました。

すき家の一人勝ち 吉野家と松屋が苦戦続きのワケ

 この記事によると、「すき家」の既存店売上高は前年同月比2.7%増、「吉野家」が5.7%減、「松屋」が11.6%減と、この三社ではすき家だけが伸ばしています。そしてこれは各社の店舗立地の違いによる要素が大きいとのこと。「吉野家と松屋が都心の男性ビジネスパーソンや独身男性をメインターゲットとしているのに対し、すき家は主に郊外の家族連れをターゲットとしている。新型コロナを受けた外出自粛や在宅勤務の広がりで都心は客の戻りが鈍い一方、郊外は回復が早い傾向があり、その影響が出た」。なるほど。あまり外に出歩かなくなって、行動範囲が狭くなり、結果として家の近辺に外出する比重が増えたということか。これを見ると、テレビニュースで取り上げられていた飲食店の立地戦略も合点がいきます。

 その飲食店がもう一つ言っていたのが人の採用です。「コロナ禍になって職を失った人たちがいて我々が募集をかけて人材を選べる」という考え方です。これは中国にいても感じました。中国でコロナによるリストラ等がみられ始めたのは2月ごろから。たまたまこの時期に人の採用を考えていた会社は、「いい人取り放題だよ」なんて言ってましたし、おそらく今もその傾向は続いていると思います。たまたまその会社にいたから、たまたまその業界にいたから、たまたまそのポジションについていたから、リストラの対象になってしまったが、実力自体はあるという人が市場には結構いるように思います。私のほうにもコロナ禍以降に人材採用でご相談いただき、お手伝いさせていただいたケースがありますが、応募者の中には確かに「リストラ」や「会社の業績不振にこちらから見切りをつけて」という動機の人は少なからず見かけました。従業員側から見切りをつける人もそうですし、機械的にリストアップされてリストラ対象となった人もそうですが、こうした人たちの中にもなかなかの実力を持つ人は少なくありません。

 中国で事業展開している企業でも企業によって業績への影響度合いは異なるでしょう。中には業績面で影響を受けていないようなところもあろうかと思います。こういう企業にとって、今は人材を採用するのにいい時期ではないでしょうか。

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