2020-09-21

90後が希望する給与水準はどれくらい?

現在中国には俗に90後と呼ばれる90年代生まれの人が1.74億人おり、これは全人口の約13%を占めます。年齢でいうと21歳から30歳なので、日本でいうところの若手から中堅ちょっと手前くらいの世代になるでしょうか。さて、この90年代生まれの人たち、どの程度の待遇で働いており、どの程度の期間で転職し、どの定地の給与を希望しているのか、といった記事を見つけましたので、今日はこれを紹介します。元ネタはとある人材会社が作成した《2020年90後薪酬数据観察》です。

1.平均転職周期25.9个月

わずか2年余りで転職してしまうとのこと。こんなにすぐにやめてしまうということは、あんまり厳しくするとやめてしまうのではないかという心配をして甘やかす必要はなく、どうせすぐに辞めてしまうので厳しくガンガンやればいいという考え方も

2.平均希望給与

平均希望給与は7310元、思ったほど高くもないです。コロナの影響で失業や減給に追い込まれた人が多いからかもしれません。都市別のトップ50は次の通りです。

1万元を超えているのは意外なことに北京だけ。そもそも北京で額面1万元というと、社会保険やら税金やらをひかれると手元に残るのは8000元ちょっと、そこからちょっと遠いところで家を借りるとして2000元ちょっと、食費が約2000元、交通費が500元、衣類等の支出で500元、単純に手元に残るのが3000元。ここから付き合いの費用とかを支出していくと、たいして残りません。貯金もそうそうできなさそう。女性だとここからさらに化粧品等の支出も結構かかるかもしれないです。

3.北京・上海・広州・深圳といった一線都市を好む

 大都会を好むのはどこの国も同じでしょう。ただ、中には北京・上海・広州・深圳からその次のランクの杭州、南京、武漢、成都、西安、天津等の新一線都市に向かう人も少なからずいるようです。しかし、一線都市(9.1)と新一線都市(6.99K)とでは平均希望給与はかなり異なります。新一線都市以下はあまり変わらず、五線都市でも6.23Kという金額で、新一線都市と比べて約10%少ないだけです。

一線都市と新一線都市の差が大きいこともあり、一線都市でお金を稼ぎ、新一線都市で不動産を購入する、そういう人も多いようです。

4.学歴別平均希望給与

 学歴別の平均希望給与ですが、高卒と大専卒の差はそれほど大きくないのですが、大卒、修士、博士と学位が上がるほどその平均希望給与の上がり方のカーブが激しくなっています。

大卒から見て修士は約5割アップ、修士から見て博士は約4割アップ、これ見ると親が子に対して勉強するようにプレッシャーをかけるのもわかります。当然学位が上がれば上がるほど、学費に対する支出も必要になるわけですが、これを教育投資と表現しており、そのリターン率はかなり高いといえますね。

5.業種別平均希望給与

表を見れば一目瞭然、金融とITが圧倒的に強いですね。今の中国を表しているといえます。

おしまい。

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