2021-02-05

突然公安に呼び出された!in 中国

時間の頃は午後4時半位、オフィスでデスクワークをして居たところ見慣れない番号から電話がかかってきた。なんと公安から!今日派出所まで来て欲しいとのこと。げげげー?公安から呼び出されるってなんだ?なんか変なことしたか?監視カメラに交通違反しているところでも押さえられたか?全く思い当たるところがない。とりあえず午後6時ごろに行くと約束した。

電話口での説明によると、どうやら私が詐欺電話を受電したらしい。着信記録を見るとそんな電話ないのだが。着信拒否をしたのも対象かと尋ねると、繋がったものだけが対象との回答。昨日かかってきた電話が対象となったのだろうか。

仕事を終え約束どおり午後6時ごろ到着。電話口で誰を尋ねたらいいかと聞いていたのだが、詐欺電話の件で呼ばれてきたと伝えればいいと言われていたので、受付口の人にそれを伝えるとそんな話は聞いてないと言われた。この手の引き継ぎができてないのは中国ではよくあることだが、なにせ公安に呼ばれるというのはとてもイレギュラーな出来事。そもそも今日は詐欺電話なんて受電していないので、詐欺電話を口実に実は違う要件で呼びつけたのか?まさかスパイにならないかという勧誘?どうしよう、スパイの勧誘だったら。そんなのやりたくないし、断ったら断ったで後々面倒なことになったりしないか?という妄想をしたりしたのだが、007シリーズの見過ぎでくだらない妄想をしてしまっていただけのようだった。呼ばれた理由は電話口で言っていた通り、詐欺電話に関することだった。

携帯電話の着信履歴を見せて、本日はそういうところから受電していないことを説明し、しかしながら前日にはそれらしい所から受電をしたのでそれかもしれないという話をしながら、さらに着信ブロックをした履歴を見せたところ、「メチャメチャ多いなあ」と感心されてしまった。しょうもない電話がかかってくるたびにブラックリストに入れているのだが、繰り返しかけてきているのも多いのだろう。

公安で最近こんな詐欺があるというのを説明してもらったのだが、覚えている範囲で書いてみますね。

1.タオパオの売主を名乗る

タオパオで商品を購入した後、たいていの人は包装をそのまま捨てているのではないかと思います。包装には受取人の名前や住所や電話番号が書かれており、これをそのまま捨ててしまうと、この情報を収集している人たちに吸い上げられてしまい、電話がかかってくるというものです。

詐欺師「タオパオの店のものですが、この間こういう服を買いましたよね?不良品であることが分かったので返金しないといけないです。このQRコードをスキャンすると返金されるので。」と言って、それをスキャンするとお金が取られるという事例。

2.社会保険未納付

重慶から上海にやってきた人。どこかしらから個人情報が漏れて電話がかかってくる。

詐欺師「あなたのせいではないのですが、重慶で勤めていた会社が社会保険を納付していませんでした。上海に入りその事実がわかると大変なことになるので、上海に入らないようにしてください。今この事態を把握しているのはこちらだけですが、万一上海でこれが見つかると相当面倒なことになります。これを解決するためには我々以外には無理です。社会保険を完納しないといけないので、こちらに払ってください。」というような話。騙されている人は公安からも連絡を受けたのですが、公安と信じず、逆に詐欺師の話をの方を信じて取り合わなかったそうです。この人はしばらく上海近辺の都市を点々としていたそうな。

3.ポイント詐欺

クレジットカードを利用したり、携帯電話を利用しているだけでポイントがたまったりします。そして、ポイントの有効期限が間近なので、それをなんとかするためにこちらのページで手続きをしてくださいというサイトに誘導され、個人情報が吸い上げられるケース。これは本当にものもあるので、ちゃんと見分けないといけない。

4.貸金詐欺

高利で買い付けを行うことができるというプラットフォームがあり、それを信じてしまう話。例えば、2万元貸付しようと思い、そのプラットフォームに連絡したところ、貸付金の1割に相当する保証金を入れてもらってから審査することになりますと言われ、保証金を入れてしまうという話。儲け話に乗っかるために補償金を支払わせると言うのは出張ホスト詐欺と同じような感じですね。そういえばいまでは出張ホスト詐欺なんてほとんど聞かなくなりましたね。

他にもいろいろありましたがこの事例紹介はこの辺にしましょう。本日公安から連絡を受けたこの日、実はこんなSMSが来ていました。

公安にいくとこんなポスターが。

よっぽど多いんでしょうね。しかしこうして連絡が来るってすごくないですか?たまたま詐欺電話を受電したということで私の携帯電話に公安から電話がかかってきたり、自宅にやってきたり(会社にいたため私は不在)。これって電話がどの番号にかかってきたのかという事実、そして掛けられた番号の持ち主の名前、住所、これが全部公安に把握されているということですよね?こういう個人情報が把握されていること自体が嫌だという人もいるでしょうが、個人情報を把握しているからこそ公安からこのように指導を受けることもできるともいえ、場合によっては犯罪に遭わずに済むという訳です。そう考えると、個人情報が集約されることは必ずしも悪いことばかりではないといえますよね。日本でマイナンバーカードに反対している人が多いようですが、持っていれば持っていればで結構便利な場面も多いように思います。コロナ対策に際して特別定額給付金10万円が支給されるときにも、マイナンバーカードを持っていれば家に居ながらにして全ての手続きを終えることができていたみたいですし、結構便利だと思うんですよね。ま、その辺りの考えは人それぞれだと思いますが。

いずれにせよ、公安には呼ばれましたが、大したことではなくて良かったです!

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