2022-01-24

いつまで固執するのか!?中国のゼロコロナ管理

オミクロン株が全世界で猛威を振るう中、中国においてその影響を免れていません。また、春節という人の移動が大きく行われる時期が近づいていることもあり、上海市健康促進中心という上海市衛生健康委員会のメディアプラットフォームからお知らせが発表されています。発表の内容は、こういう状況の中で、人々にどのような行動をとるべきか、どのように管理していくべきか、といった内容となっております。それではご覧ください。

最近の国内の多くの場所で疫病が発生し、「外部からの輸入防止、内部からの反発防止」疫病防止コントロールの状況は依然厳しく複雑な状況にある。春節休暇が近づいており、学生や出稼ぎ労働者の帰郷が増え、人員の流動性が高まっている。市健康促進センターは市民の朋友たちに以下のように健康注意に関してお知らせする。

1、帰省、必要な公務などを除いて、必要がなければ上海を離れず、必要がなければ出国せず、上海で春節を過ごすことを奨励し、できるだけ人員の流動を減らすこと。外出する時、個人の防護、手の消毒などをしっかりして、毎日自主的な健康監視をおこなうこと。

2、国内の疫病中・高リスク地区の人員は上海への往来を見合わせなければならず、所在地区のリスク等級が低リスクに下がってから上海を往来することができる。

3、すべての国内の疫病中・高リスク地区から上海から到着する人員は、上海に到着してからできるだけ速やかに且つ12時間以内に所在する居民・村民委員会と職場(または滞在するホテル)に報告しなければならない。その出発地と経由地の疫病リスク等級に応じて分類管理を実施する。

4、国内の疫病高リスク地区または現地政府が全域閉鎖管理地区を発表している地区を経由してまたはその地区から上海に来る全ての人員に対して、一律に14日間の集中隔離健康観察を実施し、PCR検査を4回実施する。

5、国内の疫病中リスク地区を経由してまたはその地区から上海に来る全て人員に対して、一律に14日間の厳格な社区健康管理を実施し、PCR検査を2回行う。

6、医療機構、学校などの関係単位は健康コード検査を強化し、上海を往来する工作人員、学生などに対して相応の健康管理措置の実行に協力し、関連人員が上海を往来してから48時間以内にPCR検査を1回、7日間の自主的な健康モニタリングを厳格に行う。

7、外地から上海を往来した人員は上海に到着後、7日間の自主健康モニタリングを行い、その間、毎日朝晩2回体温を測定し、不必要な人が集まる活動を減らし、マスクの着用を規範化する。

8、「属地、部門、単位、個人」の者方の責任を一段と強化し、空港、駅、埠頭などの交通旅客輸送場(駅)、商業施設・スーパー、ホテル、ホテルのバー、映画館・劇場、病院、学校などに上海を往来する人員の体温測定と健康コード検査などを強化することを督促・指導する。

9、以上の措置は公布の日から2022年3月15日まで実施する。その後、当市は国内外の疫病情勢に基づき、速やか動態的に関連する予防措置と実施時間を調整する。

ということで、当面3月15日までの措置となっています。もちろん、皆さんの想像通り、この期限はその時の状況に応じて延長されることも十分あり得るでしょう。原文はこちらです。

封鎖されているエリアからはそもそも出れないですし行くこともないですが、 ここで気になるのが中高リスク地区からやってきた人に対する扱い、というよりそもそも中高リスク地区とは何ぞやという点です。例えばこういう表現があります。「現時点において、上海には高リスクはなく、1か所の中リスクがある:静安区静安寺街道愚園路228号。その他地区は低リスク地区である」。つまり、特定の場所に対して中リスクであったり高リスクであったりという扱いとしていることが分かります。これは他の場所においても同じです。全国各地において中リスク、あるいは高リスクの地区があります。たいてい具体的な番地が示されています。そこに立ち寄れば高中リスク地区にいったことになり、そこに立ち入った人が上海に来れば「高中リスク地区からやってきた人」扱いになります。逆に言えば、そうした箇所に立ち寄っていなければ 「高中リスク地区からやってきた人ではない」ということになります。しかしながら、実務的な運用ではこれがその通りというわけでもないようで、「高中リスク地区の近辺からやってきた人」も 「高中リスク地区からやってきた人」 と同じ扱いをされるケースがある模様です。ある模様というのは、そういう取り扱いをされる人と、そうでない人とがいるということです。ルール自体をわかっていないのか、わかっていながらあえて厳しい取り扱いをしているのかはわかりませんが、いずれにしても対象外の人にとっては迷惑な話ではあります。

同じようなことが中国全土で行われているのでしょう。およそ他所からやってきた人は全て14日間の強制隔離プラス7日間の健康管理という場所もあり、そういうところに帰省する人はその隔離期間を見据えて相当早めに帰省するなんて言う話もあります。それとは逆に、現地のそういう実情を知らずに帰省したものの、帰省する途中の車中で強制隔離7日間プラス健康管理7日二巻という事実を知り、引き換えしたなんて話もあります。要するにリスク地区の定義がとても曖昧で、しかも厳し目に曖昧な状況にあるといえるでしょう。河南省のとある県の県庁は、「中高リスク地区から帰ってこようとしたら、ワクチンを打っていようがいまいが、48時間以内のPCR陰性証明を持っていようが帰ってきたらまず強制隔離し、その後交流する」なとという発言をし、かなり炎上してしまいました。また、 出張に向かったところそのまま強制隔離された話もあり、これだとおちおち出張もできません。

また、日本でもニュースになりましたが、ユニクロが来店客がいるにもかかわらず封鎖されると言うことが発生しました。

上海のユニクロ、感染対策で一時封鎖―中国

たまたまそのお店に入っただけでPCR検査の陰性が確認するまで出してもらえないのです。こう言う大型店ならまだいいのですが、店舗の規模によってはトイレがなかったりして、その間一体どうするのでしょうか。そういえば知人でオフィスから48時間出してもらえなかったと言う話もありました。寝袋が配られて過ごしたようです。封鎖は急に起こり、公式発表もない間に封鎖は解かれます。「いつ何時誰の挑戦でも受ける」じゃないですが、ここまでくると「いつ何時どこにでも閉じ込められる」かわからないので、こう言う事態に備えて普段から着替え、歯磨き粉、仕事に穴を開けないようにするためにパソコンも持っておかないとって思ってしまいました。ゼロコロナもここに極まれりです。

こう言う厳しい対策も抑え込みができた間は国民からも支持され、最近でもされていると思うのですが、日本でいうヤフコメみたいなのを見るとどうもストレスが溜まってきているようです。流石にやりすぎ感を感じる人も現れてきているなあと思っていたところ、日本でもこんな記事が。

「武漢封鎖」から2年 政権はゼロコロナ誇示も強まる不満

産経新聞の記事とはいえ、ここ最近の現地の記事コメント欄を見る限り、この記事に書かれている程度の内容は決して大げさではないでしょう。感染する人がいなくなったわけではないですし、オミクロン株の感染力も強そうだとわかってきてはいますが、そろそろ他国のようにウィズコロナを模索して行ってもいいのではないかと思います。果たしてこの状況がいつまで続くことやら。

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