2021-08-04

2020年中国薬品小売・卸売企業TOP100

商務部が《2020年薬品流通業界運航統計分析報告》なるレポートを発表しました。今日はこちらについて紹介します。

1.小売企業

まず、小売企業について見て行きましょう。下図は中国医薬小売企業トップ100になります。基本的にはチェーン店が中心で、このうち国大薬房が216億元でトップ、大参林が153億元で第2位、老百姓が148億元で第3位です。

2020年薬品小売企業販売額トップ100の薬品小売企業販売総額は1,806億元で、全国小売市場総額の35.3%を占めており、前年比0.4ポイント上昇しています。トップ10の販売総額が1,071億元で、全国小売市場総額の20.9%(前年比+1.3ポイント)となっております。中国の薬品小売市場は5,119億元、成長率は10.1%となっています。また、小売企業売上総額トップ100の発表されております。

店舗数で見ますと、全国トップ100の小売薬店企業店舗数が全体店舗数の18%を占めています。言い換えますと、全国トップ100の薬店が全国の約18%の店舗を占めており、この店舗数で全国の35%の市場シェアを占めています。

2016年から2020年にかけて、薬品小売企業販売拓トップ100が占める市場シェアはどんどん高くなっており、2020年には35.3%の市場シェアだが、これは2016年と比べて6.2ポイント上昇しており、卸売企業と同じく明らかに業界の集中度が増しているといえます。

2.卸売企業

次に卸売企業について見て行きましょう。下図は中国医薬卸売企業トップ100になります。

2020年末時点で薬品卸売企業は1.31万社あり、市場占有率を見る限り薬品卸売企業の集中度は上昇しています。具体的には薬品卸売企業の主営業務収入トップ100で中国医薬市場総規模の73.7%を占めており、前年比0.4ポイント上昇しています。もう少し細かく見ますと、トップ4だけで中国医薬市場総規模の42.6%(前年比+1.6ポイント)、トップ10で55.2%(前年比+3.2ポイント)占めています。そして、2020年薬品卸売企業の主営業務収入トップ100のうち、中国医薬の主営業務収入が約4,806億元でトップ、上海医薬の主営業務収入が約1,682億元で第2位、華潤医薬の主営業務収入が約1,511億元で第3位となっております。

また、このレポートにおいて特に強調しているのが、現在EC企業が実店舗とアライアンスを組むケースが増えてきている点です。オンラインとオフラインとの融合ですが、「ネット注文店舗受取」や「“ネット注文店舗送付」の運営モデルが多くみられるようになってきています。私も利用していますが、単に配達してくれるだけではなくて、ランチのデリバリーと同じくらいのスピードで配達してくれるところも多くあり、とても便利です。

以前にこのような記事(中国で処方薬をネットで購入)を書いたことがあります。便利な世の中になったものです。

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