2022-06-17

2021年中国チェーンストアTOP100 ~蘇寧よ大丈夫?

2021年中国チェーンストアTOP100が発表されました。2021年通年のランキングなので、当然ここ最近のロックダウンの影響等の要因のなかった時点のものであります。なにせTOP100はさすがに分量が多いので最後に貼り付けました。内容についてみていきましょう。

TOP100チェーンの全体の売上高は2.3兆元(前年比▲2.8%)、総店舗数は約19万店(前年比+8.9%)となってます。店舗数が増えているのに対して売り上げが減少している、つまり店舗当たりの売上高が落ちているということになりますね。そして、2021年TOP100のうち、売上高を伸ばしたのが68社、店舗数を増やしたのが60社となってます。中でも美宜佳、大参林、銭大媽、天福、健之佳、比優特は店舗数を二桁以上の伸び率で増加させています。

小売業の主要4部門である百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、専門店の伸び方はこんな感じです。

売上高成長率店舗数増加率
百貨店10.9%1.1%
スーパー0.3%2.3%
コンビニ8.7%8.4%
専門店▲17.0%19.1%

専門店が店舗数を増加させているのに対して売上高を大きく落としているのが目立ちますね。

コスト面を見ていきますと、TOP100チェーン企業の賃料コストは2.6%(前年比▲0.1P)、人件費は売上高対比で4.9%(+0.2P)となってます。純利益を見ますと、専門店が大きく落ち込んでいることが分かります。

純利益率前年比
百貨店4.0%+0.9P
スーパー0.9%▲0.4P
コンビニ1.7%+0.2P
専門店▲1.3%▲6.4P

調査によると、Top100 チェーンの 8 割以上が 2022 年に売上高が増加すると見込んでいたということですが、ここ数か月のロックダウンによる落ち込みがの影響を考慮していないと思われ、今新たに調査すると違う結果が出るのではないかと思います。

企業名で見ていきますとトップは蘇寧(Suning)なのですが、その売上高の落ち込み方がなんと▲52.6%、売り上げが半分以下に減少したということになっており、一方で店舗数は15.3%も伸ばしています。店舗数を小型化しているということなのかと思いつつ、それでもこの減少の仕方は半端じゃありません。決算状況が出ているのですがこちらです。売上高の数字が異なりますが、TOP100ランキングはあくまでチェーンストアとしてのランキングですので、この範疇外のものはこのランキングには含まれていないということなのでしょう。

2019年から2021年までの業績推移です。売り上げは年々減少しており、ランキング表に示されている通り、2021年の売上高は大きく減少しています。利益も大幅赤字に転じてしまっていますね。

昨年6月にメディア報道で蘇寧の流動性危機が報じられていましたが、業績を見る限りそのような危機が報じられるのもわかります。利益推移(ここでは非経常損益を控除した控非純利潤という数値)を見ていくとこんな感じです。2012年くらいから落ち込みが始まり、2014年以降はずっと赤字です。

2022年はゼロコロナ政策の影響もあり、見通しはより厳しいのではないでしょうか。大型再編劇がみられるかもしれません。

すっかり蘇寧の話になってしまいましたが、最後に2021年中国チェーンストアTOP100をご覧ください。

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