2022-12-13

ウィズコロナへの転換にあたりしっかりとした説明を

あれだけゼロコロナにこだわっていたのがあまりにも急激な方向転換。方向転換したらしたでどうもあちこちで感染者がたくさん出てきている様子。直接の知り合いで感染した人もいれば、その人の周りでたくさん感染した人がいるなんて話も聞こえてきます。そのうち自分も感染してしまいそうな気になってしまいます。

これを書きながら見ていたのですが、約1か月前の11月11日に発表された通知の中で「動態清零不動揺」(ダイナミックコロナ揺るがず)とあったのに、11月下旬から12月頭にかけて急速な方針転換、あまりにもふり幅が激しくそれについていけない人もたくさんいそうです。先日も中国人経営者と話をしていたのですが、「この1年無駄にしちゃったね」なんてことを言ってました。その人によると、ゼロコロナでビジネスに見切りをつけて日本にマンションを買って拠点を移した人も多いそうです。

そんなこんなでこの間iPadで新聞を見ていたところ、こんな画面になりました。

地方経済に関する記事の見出し部分なのですが、どこもかしこも脱中国の記事ばかりです。きっとこのゼロコロナの間に企業も疲れ果てたのでしょう。サプライチェーンは乱れる、工員さんたちの出勤状況も安定しない、客先もコロナでオペレーションが大変、確かにやってられない。

また、元受け先が撤退するから自分たちも撤退するしかないというところもあるかと思います。元受け先以外の業務も開拓しておけばまた状況が違っていたかもしれません。2012年に反日デモがあり、あの時日本車のシェアがかなり落ちた時期があります。その頃にとある自動車用品メーカーの方とお話しし、結構ダメージ大きいのではと質問したところ、「日本車メーカー向けは確かに落ちたけど、その代わり中国者メーカー向けの売り上げが増えたので、全体としてはあんまり影響ない」というような絵にかいたような美しい答えを聞いたことがあります。みんながみんなこういうわけにもいかないのでしょう。ある人に言われると、「日本から来る営業に海外営業力ないのが原因では。もちろんそれを後押しできなかった会社の問題もあるかもですが、とにかく拡販出来ない」だそうです。

ウィズコロナにかじを切ったからこれからは大丈夫だなんて言う人もいるかもしれませんが、これだけ激しいふり幅がまた逆に触れることを心配する人もいるでしょう。要するに不安定さが否めないのです。中国国内向けにはオミクロン株は毒性が弱いからゼロコロナを緩和したということなのでしょうが、海外ではとっくにそれは知れ渡っており、外資系企業向けにはその説明は苦しいでしょう(現地中国人でも少なからずの人は知ってますが)。中国が経済を本気で回復させたいのであれば、今回の政策の大幅転換をしれっと行うだけでなく、中国国内外向けにきっちりとした説明を行う必要があるでしょう。それがあって初めて企業も中国という国で本気でビジネスする気になれるのではないでしょうか。

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