2016-05-17

中国における2015年外資スーパー出店・閉店状況

 本日は中国における外資スーパーの出店・閉店状況を見ていきましょう。主な外資プレーヤーとして、沃尔瑪(ウォルマート)、家楽福(カルフール)、大潤発(RTマート)、欧尚(オーシャン)、卜蜂蓮花(ロータス)、麦徳龍(メトロ)、楽天瑪特(ロッテマート)について見ていきます。

 まずは2015年の出店と閉店の状況です。カルフールが出店17、閉店18と他社対比閉店が大きく上回っています。ロッテマートが5店舗と相対的に多いですが、他社は閉店なし、あるいは1-2店舗程度しか閉店していません。カルフールの動き、スクラップアンドビルドがほぼイーブンとなっているといえば聞こえはいいですが、出しては閉め、出しては閉めというような傾向にも見えてしまいます。

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 2014年と2015年の出店数比較を見ていきます。2015年のほうが出展の勢いが鈍っていることが分かりますね。

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 2014年と2015年の閉店数比較です。2014年にウォルマートは16店舗も閉店していますが、2015年はわずか1店舗閉店で収まっています。それに引き換えカルフールはなんと閉店店舗数が前年比倍増、マイナスの兆候が見て取れます。ちなみに大潤発は2014年も2015年も閉店数0ですが、そもそもいままで1店舗たりとも閉店していないというのは秀逸です。

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 2015年の地域ごとの新規出店数を見てみましょう。カルフールが一線都市に9店舗出店しており、ロータスも5店舗出店しています。大潤発は新一線都市に8店舗出しています。二線都市への出店は大潤発とウォルマートが多く、カルフールの動きだけが少し異質に見えるのは気のせいでしょうか。そして三線都市も大潤発とウォルマートがそろって6店舗出しています。四線都市においても大潤発は7店舗、ウォルマートが5店舗の出店。

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 大潤発とウォルマートは新一線都市以外ではほぼ同じような動きをしているといえます。そしてカルフールは都市ランクが下がるほど出店数が少なくなっており、このトップ2社との違いがくっきりしています。先日とある食品メーカーの方にお話を伺う機会があったのですが、カルフールにはすでに以前のような勢いがないと嘆いておられました。そういえば4年ほど前にカルフールの中国事業が売却されるというような話がありましたが、ちょうどそのころから勢いがなくなってきたのではないかと思います。大潤発やウォルマートを崇拝するわけではないですが、カルフールの他社と違う動きを見ていると今後の勢いがますます陰ってきてしまうような気がしますね。

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