2023-07-10

中国の若者の失業率の高さは一流大学新卒にも影響しているのか

中国の若年層の失業率が20%を超えているというニュースを聞いたことがある人は多いかと思います。統計データを拾い、その推移を折れ線グラフにしてみました。%表示です。

確かに若者の失業率が20%を超えています。全体の失業率よりも若者の失業率のほうが高いのは以前からずっと同じトレンドではありますね。全体の失業率の水準が比較的安定しているのに若者の失業率が高いということは、若者より上の世代が失業率を押し下げているといえますね。

いくら若者の失業率が多いとは言っても、超一流大学を卒業する学生にとっては何の関係もないのではないかと思っていました。ところがどっこい、そういった超一流大学卒業生にとっても就職は決して容易くはなかったようです。その理由は、コロナ。

まず、中国人の学歴について見て行きましょう。人材募集して応募者の履歴書を入手しますと、社会人期間中に学歴が追加されていることがよく見受けられます。これは最初に社会人になるまでの学歴が不足していると思う人たちが、より高学歴であるという資格を得るために、通信制の大学講義を受講して、学位を取得するようなケースです。つまり、いわゆるキャンパスライフを特段過ごすことなく、学歴の取得だけを目的として取得した学位であります。

また、コロナに話を戻します。中国では2020年初頭から2023年頭あたりまではコロナ期間だったと言えるでしょう。この約3年間、日本でもリモートワークが普及したりしましたが、中国もそれは同じ。そして、社会人だけがそのような影響を受けたわけではなく、学生たちもリモート授業での対応を長期に渡って強いられた人も少なくありません。上に紹介したような「キャンパスライフを充分に過ごさないまま卒業する」人がいるということです。つまりこれ、通信制の授業と変わらんという見方をする人がいます。

昨年卒業したばかりの学生はまだ就職活動はまだコロナにうなされていた時期、そして、コロナ期間明けで景気もよくなるだろうと思っていたところ、回復基調とは決して言えません。新卒学生の就職環境は決してよくなかった、あるいは今もなおよくないといえます。そして企業の立場からすると、この状況下であえて新卒社員を採用することもないだろう、しかもコロナ期間中は満足に大学に通うこともできなかったので、そういう学生たちのやってることは通信制大学と変わらんだろう、通信制大学レベルの新卒を無理して採用することも無かろうと考える企業がいるのです。若者全体からからすると数としては少ないでしょうが、若年層の失業率に対する影響は少なからずあるでしょう。

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