2021-11-22

双十一(ダブル11)で店舗は儲かるのか

11月11日、以前は独身の日と言われることが多かったですが、今ではダブルイレブンと呼ぶほうが浸透していますでしょうか。このダブルイレブン商戦がつい先日終わりました。終わりましたというものの、実際はまだかなりの割引価格でセールしているところも一部にあろうかと思います。また、11.11に引っ掛けたのか12.12という商戦も来月控えておりそれに向けた何を買おうかと引き続き物色している人もいることでしょう。

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さてこのダブルイレブン、いつもより安い価格設定もそうですが、割引クーポンも結構配られます。消費者にとってはありがたい話ですが、これって誰がかぶっているのでしょうか。お店か?プラットフォームか?

メディアが取材したとある店舗によると、「ダブルイレブンは儲けが少ない、回収できる金額は通常の75%くらい。でも、参加しないわけにも行かない。参加しないとアクセス量が減ってしまうから」とのこと。普段2割くらいの儲けしかないところであれば75%、すなわち実質25%引きとなると赤字になってしまいます。

店舗はすくなくとも25%をかぶる

やはりメディア取材を受けたアパレルブランドの人が言うには、いろんな優遇があったとして、それはほぼ店舗がかぶり、プラットフォーム側からの補填はないとのこと。確かに売上は激増するのだが、優遇価格で出品させられるので、大した儲けにはならないようです。タオパオのダブルイレブンでは複数店舗にまたがった購入した金額が一定金額以上になると割引してくれる仕組みがあるのですが、各々の店舗がその割引を分担することになります。要するに、割引がある場合、ほぼ全て店舗がかぶる仕組みになっています。

アクセス数の起伏

アクセス数はたしかに増える、それに伴って販売数も増える、しかしよくよく考えると、この時期に売上が集中するだけで、全体的に、何もやらなかったとしても全体の販売数は変わらないのではという見方をする人もいます。というのも、このダブルイレブンの前後の時期の販売量は往々にして鈍いからです。10月20日くらいから売上が鈍り、11月1日に第一波がやってきて、4日から10日が良くない。要するに11日を待つからです。購入する側であるみなさんもこれと近しい行動をとっているのではないでしょうか。

もちろん、店舗にはダブルイレブンのイベントに参加しないという選択肢もあります。しかし消費者がダブルイレブンで浮かれている中、このイベントに参加しない店舗にはアクセスがやってこないという現実があります。しかしそれでもダブルイレブンのイベントについていけないと考えている店舗もあります。なぜならば、目を引くような売上を上げているのはやはりブランド力の強い、ブランドの出来上がっている商品が主体となっているからです。そのため、このダブルイレブン期間はおとなしくして、日常の販売活動に注力するという考え方をする店舗もいます。

結局、知名度が上がるなら、イメージが上がるなら儲けが薄くてもいい、儲からなくてもいいという考えのところにはこのダブルイレブンはうってつけのイベントですが、どうせ毎年同じ時期に起こる出来事、この時期だけはしょうがないのでおとなしくしようというのも一つの考え方でしょう。ただし、一定以上の知名度のある商品がダブルイレブンのイベントに参加しないとなると、どうしてあそこは参加しないのだろう、と思われるのは間違いないでしょう。

ネット販売戦略に関する相談は私の方でも受けたことがあります。消費者にとってはありがたいイベントですが、店舗側にとって悩ましいイベントででもあるといえます。ネット販売比率が結構高い企業も多く、そうした企業にとっては無視することのできないイベントであることは間違いないでしょう。

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