(続報3:衝撃の事実?)大江戸温泉物語が上海にやって来た?
前回の記事はこちら→(続報2)大江戸温泉物語が上海にやって来た?
連日話題となっている上海の大江戸温泉物語(ここでは日本の大江戸温泉物語は、大江戸温泉物語株式会社と表記します)ですが、まず時系列でみてみましょう。
2015年2月 上海前観投資有限公司設立
(参考)2015年2月 ベインキャピタルが大江戸温泉物語ホールディングス株式会社の買収を発表
2015年9月 上海江泉酒店管理有限公司設立
2015年11月 上海江泉酒店管理有限公司と大江戸温泉物語株式会社が業務提携基本契約書を締結
2016年3月 上海江泉酒店管理有限公司と上海雲湯沐浴管理有限公司が「大江戸温泉加盟商フランチャイズ契約」を締結
2016年8月 上海雲湯沐浴管理有限公司設立(なぜかフランチャイズ契約をしてから設立されている。。。)
2016年12月 上海大江戸温泉物語オープン
ふむふむ。最初にこの記事を書いた時に、上海側の法人の出資関係について紹介しましたが、これをさらに深掘りすべく、出資関係をさらに細かく調べてみました。
上海江泉酒店管理有限公司
上海雲湯沐浴管理有限公司
*投資中心とは合名会社のようなもの
上海側の言い分としては、上海江泉酒店管理有限公司が大江戸温泉物語と業務提携をしたうえで、上海雲湯沐浴管理有限公司に対して「大江戸温泉物語」のライセンス使用を授権しているというものです。時系列的にもそうなっています。白涛と唐斌は復星の人です。
大江戸温泉物語株式会社と業務提携をしている上海江泉酒店管理有限公司の出資者は上海前観投資有限公司と柴国強、そして上海前観投資有限公司に対して呉雲と鄭孟午が出資しています。柴国強という人が良くわからないのですが、同姓同名で上海大学と関係ある人がいます。テレビで上海江泉酒店管理有限公司の会社登記地を訪れたところ大学の女子寮だったというのがありましたが、あれは上海大学あたりなので、柴強強も上海大学の関係者の可能性がありますね。ちなみに柴国強は上海江泉酒店管理有限公司の法定代表人でもあります。
上海雲湯沐浴管理有限公司の直接の出資者は1999年に創業した豊収日(集団)股份有限公司という6つのブランドを展開するレストランチェーンです。
豊収日(集団)股份有限公司の創業者が呉雲、そしてその息子が鄭孟午。そうです、上海江泉酒店管理有限公司及び上海雲湯沐浴管理有限公司の出資構造に名前が出ていますね。
呉雲さんは「上海餐飲業界協会副会長」、「中国飯店協会、烹饪協会常務理事」、「上海市浙江商会第六届理事会常務理事、餐飲娯楽分会副会長」等の肩書を有することから、相当立派な方だということがうかがえます。
次にその息子の鄭孟午さん、日本留学経験があり、日本より帰国したのちに豊収日(集団)股份有限公司で働き始めています。いわゆる二代目ですね。
それともう一つ気になるのが復星集団が絡んでいることです。日本にも拠点を持つ復星集団とはWikipediaによるとこんな会社です。
1992年に上海で、郭広昌(現・代表)、梁信軍(現・副代表)ら復旦大学の卒業生5人により調査会社として設立され、製薬、不動産などに多角化し、2007年に香港証券取引所メインボードに上場(復星国際00656.HK)。保険、工業経営、投資、資産運用管理の4業種を中心にした国際的複合企業グループとして中国の経済発展とともに急成長し、フォーブス誌が2014年に発表した世界の公開会社上位2000社のランキングでは751位。2014年6月末時点の同グループ総資産は3133億元(約5.6兆円)。 同グループ不動産投資及び管理部門として復星地産(Fosun Property)があり、金融、ヘルスケア、カルチャー、観光、物流を柱に新都市開発・建設関連企業を多数有し、中国全土および海外不動産への投資・買収を積極的に行ない、中国の不動産投資開発業界の大手として知られる。創業者の一人であり、最高経営責任者(CEO)の郭広昌は「中国のウォーレン・バフェット」としてその名を知られていたが、2015年12月に行方不明であることが報じられた。報道を受け、同年12月11日に復星グループ企業の株が一時売買停止となったが、中国の経済誌『財経』によると、当局によるある調査に協力後、自宅に戻ったとされ、復星国際も「上海で司法機関の調査に協力している」と発表した。日本事務所は東京・青山にあり、高齢者サービス、食品、旅行、製造業関連の日本企業の買収と合弁を目的とする。 |
確かに1年前くらいにトップが行方不明になる騒ぎがありましたねえ、懐かしいです。果たして復星集団は上海大江戸温泉物語にどこまで関係しているのでしょうか。
まあいずれにせよ、上海大江戸温泉物語は豊収日(集団)のグループ企業みたいなもんですね。このようなちゃんとした会社がなぜ今回のパクリ騒動にあいなってしまったのか。
考えられるのが間に変なコンサルタントやブローカーがいて、そういった輩に引っ掛けられたのではないかということ。しかし、これだけの会社を運営している人たちなので、大江戸温泉物語株式会社とちゃんとした契約書を締結するとき、あるいはその前にちゃんと顔合わせするはずだと思うのです。顔合わせしていればこのような騒ぎになるようなことはなかったと思うので、そのあたりどうだったのかが気になります。
はたまた鄭孟午が日本留学時代に知り合った(胡散臭い)人に話を持ち掛けられ、あれよあれよという間に契約したのが詰めが甘くておかしくなってしまったのか。二代目なので飲食業とは別の独立した自分の事業をスタートしたいと考え突っ走ってしまったのではないかというものです。
そしてもっと根本的な話をすると、上海江泉酒店管理有限公司が上海雲湯沐浴管理有限公司とフランチャイズ契約していますが、その親契約のようなものである上海雲湯沐浴管理有限公司が大江戸温泉物語株式会社と締結した業務提携基本契約書にはそこまでやっていいという内容が含まれていないのではないのかということ。今のままだと上海側の印象が悪いので、これを払拭するような動きを持って積極的にしないといけないと思うのですが、それができていないということはやはりなにかしらまずいと思っているのでしょうか。とてもかっこ悪い過ちを犯してしまったのでしょうか。
日本側が上海側と無関係といってしまっている以上、いろんな疑惑を払拭するための動きは上海側にあると思うのですが。中国企業の危機対応を見せてもらおうじゃありませんか!
と思ったところで新た事実を発見!大江戸温泉物語株式会社と業務提携基本契約書を締結したとされる上海江泉酒店管理有限公司という会社の董事(日本でいう取締役)と監事(監査役)メンバーのリストを見てみましょう。
董事長(日本でいう代表取締役会長のような役職)日本人らしき名前が入っています。「MORITA MITSU…」、後ろのほうがちょっと切れていますが、「もりたさん」であることは間違いないでしょう。そして大江戸温泉物語株式会社の会社概要を見てみますと、
大江戸温泉物語株式会社の代表取締役の名前がなんと森田満昌(MORITA MITSUMASA)!。「MORITA MITSU…」とはこの人のことなのでしょうか!はたまたどこかの胡散臭いコンサルタントやブローカーが同姓同名の人物を見つけてきて引っ掛けたのでしょうか?同一人物であればこれは衝撃の事実!上海側が日本からの了解を得ているというのは嘘でも何でもなくなります。つい先ほど上海側の説明を求むというような論調で書きましたが、この部分は日本側の説明も聞きたい!まだまだ騒ぎは収まりそうにありません!