2021-11-24

新エネ車ブースが賑わう広州モーターショー

広州モーターショーが11月19日からスタートしました。

4-5年前あたりモーターショーの紹介といえば露出の高いコンパニオンの紹介も多かったのですが、今ではすっかりそれはなくなってしまってます。そして今年のモーターショーの話題はやはり新エネルギー車でしょう。展示車両総数は1020台、そのうち54台が世界初お目見えです。この54台のうち7台が多国籍企業のもの。コンセプトカーは28台で、このうち国際ブランドは9台です。国内外の出展企業は新エネルギー車を合計で241台を展示し、そのうち国外ブランドの展示車は88台です。ということは、中国国内ブランドは153台もあるということですね。そして、人の流れが最も大きいのも新エネルギー車パビリオンとのこと。

嵐図、智己汽車、ARCFOX極狐、極氪、沙龍、合衆などの新エネルギー自動車ブランドが広州モーターショーに初登場し注目を集めたほか、蔚来、小鵬、理想、零跑、高合HiPhi、賽力斯、威馬、飛凡汽車、広汽埃安、欧拉、奇瑞新能源、幾何汽車、合創などの新エネルギー車ブランドのブースも多くの来場者でにぎわっているようです。

最近は地球温暖化やカーボンニュートラルという言葉をほぼ毎日のように耳にするような時代になり、自動車も電動自動車にかなり流れが向かっています。やれ、〇〇年までにはすべての生産車両をEVにするという宣言もいろんなメーカーで言われています。ではEVも含む新エネルギー車ってどくれくらい販売されていて、今後どれくらい広がっていくのでしょうか。中汽協、Marklines、ACEA、中信証券研究部による予測を見ていきましょう。

2015-2025中国&世界新エネルギー車販売量 (百万台)

2020年時点で中国の比率は42.2%もあるのですが、これが2025年には販売台数の増加とともに56.2%にもなります。なんと半分以上とは。

2015-2025中国&世界新エネルギー車浸透率

新エネルギー車の浸透率は2020年時点で世界と中国とでほとんど差がない(中国がやや上)のですが、これが2021年以降中国は加速度的に伸び、2025年には中国が世界を8ポイントも上回るとの予測となってます。

従来のエンジン車と異なる新エネルギー車、部品の構造変化も進むでしょう。2ヶ月前ほどの記事でこんなのがありました。

EVシフト、部品サプライヤーの4割が自社に「悪影響」 メーカーの電動化戦略で危機感に温度差も

「完成車メーカーと、グループを形成する製造子会社やメーカー系サプライヤーに直接部品を供給するティア1(一次下請)における製造業約300社のうち38.8%が、EVの普及が自社にとって「マイナス」と回答した」とあります。EVになろうが新エネ車になろうが収める部品類に変わりはないというサプライヤーにとってはいいのですが、そうでないサプライヤーがこれだけたくさんいるということは注視していく必要があるでしょう。さすがに今後に向けて動き始めているところが多いかと思いますが、大事なのはそのスピード感ですよね。ゲームチェンジが発生しつつある状況なので、あまりゆったりと構えていると新興企業に足下を救われてしまうという状況も出てくる可能性があるように思います。サプライヤー再編の動きを予想する見方もありますが、その可能性は確かにありますね。日本にとって自動車産業は特に大きな存在ですので、このゲームチェンジをうまく乗り切っていくことに期待したいです。

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