2016-10-27

中国の美容マーケット ~ネイルサロン~

 今日は中国のネイルサロンマーケットについて紹介します。

 中国でネイルアートのことを美甲といいます。そして「美甲幇」というところが発表した『美甲行業報告』によりますと、2015年の中国のネイルマーケットの市場規模は760億元あるといわれており、これは最近急激に伸びてきている映画市場よりもずっと大きいといわれています。

%e5%b8%82%e5%a0%b4%e8%a6%8f%e6%a8%a1

 この勢いで増えれば来年2017年には1000億元をゆうに突破することが予想されています。ネイルのような美容はやはり経済的に余裕のある人のものだと思うのですが、都市等級レベルが上がる穂と店舗数は多くなっており、2015年末時点で、中国には約30万店舗のネイルサロンがあり、北京、上海、広州がトップ3で、これら各都市はそれぞれ6000店舗ほどあるといわれています。深圳まで入れた四つの一線都市の店舗数比率は8.4%ながら、都市等級が下の都市をあわせた店舗数は都市数量が違うこともあり、単純な都市等級別店舗数で見た場合都市等級が下でも店舗数はかなり多く、ご覧の通りの分布となっています。

%e9%83%bd%e5%b8%82%e5%88%a5

 この業界は雇用も多く生んでおり、関連業界従事者が200万人、そしてなんとこのうち男性が64万人もいるといわれています。私はもちろん自分自身でネイルしてもらったことがないので、まさかこんなに男性がいるとは思ってもいませんでした。

%e7%94%b7%e5%a5%b3%e6%af%94%e7%8e%87

 上海で実際によくネイルサロンに行く人に聞くと男性はそこまで多くなくせいぜい1割くらいの印象なので、ひょっとすると他の都市で男性比率が高いのか、あるいはネイリスト以外の人も含めた業界全体の中での割合なのではないかと思われます。

 学歴別の統計が出ておりまして、約7割が高卒以下とのこと。

%e5%ad%a6%e6%ad%b4%e5%88%a5

 それに対して、ネイルサロンにくるお客さんは高卒以下はわずか5.4%に過ぎず、ないという結果が出ております。サービス提供者と顧客が完全に反対になっている形です。一般的に考えて、学歴が高いほど収入も高くなるでしょうから、そう考えると、低賃金の従業員を使って大金持ちとまで言わないまでも小金持ちあたりからお金を稼ぐビジネスモデルになっているとも言えます。最近では価格も下がってきており、小金持ちまで行かない人でもネイルサロンに行くようになってきています。賃金の低い工場労働者を使ってモノづくりをして、出来上がった製品を売ってせっせと稼ぐモノづくり工場モデルがそのままネイルサロンという形に移行したような感じですね。

 実際に上海の街を歩いてみると確かにいたるところにネイルサロンがあります。

3
2
1

 価格は使っている材料やネイリストの技量にもより高いところもあれば安いところもありますが、結構いい値段します。ちなみにネットで予約できる58同城というサイトがあります。

4

 そこを見てみますと100元(約1500円)以下の価格帯はなく、一番高いところで246元(約3800円)となっており、路面店だとこれよりもずっと高いところもあり、デザインにもよりますと日系だと500元(約7700円)以上のところもあります。一方で100元以下の店舗もたくさんあり、結構ばらつきがあるといえます。感覚的なものではありますが、日系だと100元以下のような有象無象のところと競争しないほうがいいでしょう。

 中国における日系の美容ビジネスはヘアサロンから始まったと思うのですが、そのあとエステも広がり、いまやネイルサロンにまで広がってきており、さらにまつ毛エクステにまで広がってきており、さらに脱毛も見られるようになってきております。まつ毛エクステと脱毛だと銀座カラーというところがすでに進出しております。初期の段階で進出した日系のヘアサロンは日本人向けに多くやっていた印象があり、こじんまり続ける分にはこれでもいいと思いますが、いまとなっては消費力を付けた中国人消費者も多くおり、今後は日本人よりもむしろ中国人消費者をいかに取り込んでいくかが業容拡大できるか否かのポイントといえますね。まだまだ個人レベルで営業している人も多いですが、企業レベルでの進出も見られており、マーケットを押さえたいのであればそろそろ入っておかないといけない時期なのではないかと思いますね。

関連記事