2020-08-26

中国の「酒とメンツとセクハラと忖度」

 ようやく中国もこういう時代になりましたか。飲み会で上司から酒を飲めと強く迫られ、それを断り続けたところ上司から怒られ、罵られ、叩かれたという記事を見ました。この事件が起こったのは厦門国際銀行中関村支行、北京の話ですね。社員が集まっての宴会、よくありますね。ここでお酒が飲めない社員がお酒が飲めないと訴えているにもかかわらず上司から無理やりお酒を勧められ、断り続けたところ上司から怒られ、罵られ、叩いたりされ、怒りがおさまらないこの社員はこの出来事をSNSに投稿したところ拡散され、世の中に知れ渡ったということです。

さて、この上司がこのようなことをしてしまったのは、こういうことではないかと伝えられています。

1.  上司が再三勧めたのに対して断り続けられ、自分のメンツをつぶされたと感じた

要するに「俺の酒が飲めないのか」というやつですね。これが上司のメンツをつぶすことになってしまったと。私自身は中国であまり無理やり飲まされる場面に遭遇したことはなく、あったとしてもスルリとかわし続けてきました。中国でも印象としては無理してまで飲みたくないなあという人は増えてきていると思います。欲に若い人たちほどこういう人が多いと思います。ただ、ある程度年齢がいった人たちとの会食ではやはり勧められてしまいます。私は全く飲めないというよりは量が飲めないのですが、勧める気満々の人たちの前で最初に一口でも飲む姿を見せてしまうといつまでも勧められてしまうので、こういう雰囲気を察知したときは早い段階で飲めませんアピールをします。場合によっては自己防衛のために一口も飲めないと最初から言ったほうがよさそうな会食もありますよね。

こういうことは今でもあるでしょうし、特に地方に行くとやはり飲め飲め文化は残っており、これで話をまとめ上げる人も多いでしょう。

まあ、日本でも同じようなことはあるでしょう。幸い自分は社会人時代無理やり飲まされるほどのことはほとんど経験しておらず、周りの方々には恵まれたなあと思ってます。あえていうなら社会人なりたての時に、新入行員の集まりで、その場のノリで酒を飲まないといけない雰囲気にさせられ、飲まさせられたというのがありました。その時は足を骨折していて石膏で固めた状態で、おそらくまだ腫れていたと思うのですが、案の定飲まされた後に腫れ上がり、激痛が続いたのを覚えてます。あれは今でもむかつきますが、無理に飲まされたのはこの時くらいで、そのあとはほぼなかったと思います。

2. 上司は自分も飲めないのに無理して飲んでいる

この上司は仕事をスムーズに進めるために酒を飲むという行為が役立った場面が多かったのでしょう。俺だって無理して飲んでるんだからお前も酒が飲めないなんて言わずとにかく飲めという考え方ですね。確かに酒が飲めると単純に楽しかったり、場を盛り上げることにつながったりとメリットは多く、酒が飲める人のことをうらやましいと思う場面は少なくありません。とはいうものの、酒が飲めない立場からすると限界を超えた量を飲まされるのはやはり避けたいものです。

記事によると、上司が怒っただけでなく、周りにいた同僚も上司に同調して同じく怒ったり罵ったりしたようです。上司に対する忠誠心を見せる、あるいは上司がやってるからそれに合わせてやらないとという忖度というやつですかね。それと新人に対して自分の力を見せつけるという意味合いもあったようです。

また、この投稿には、に投稿者が飲酒を強要された以外にも次のようなことが書かれてします。

1.SNSに投稿した人以外の新人も酔って吐いた人が少なからずいた。

そもそもこの飲み会は新人を潰すことが目的だったのではないかという話もあります。日本の大学のサークルあたりでもありそうな話ですね。

2.セクハラ

SNSの投稿の中には女性社員に対して「動手動脚的行為」という表現もあり、セクハラ的な行為も見られたようです。

表面的な事象だけ見ると酒と暴力とセクハラ。どうしょうもないです。「酒に酔ってのことだから」という言い訳はよく聞きますが、今回のようにSNSで拡散してしまうとそういう言い訳もききません。実際のこのケースでは最終的に会社は謝罪に追い込まれています。みなさん、お酒を勧めるのもほどほどにしましょうね!

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