2021-06-17

2020年中国チェーンストアトップ100 ~蘇寧がダントツの首位~

中国連鎖経営強化より2020年中国チェーンストアトップ100が発表されました。首位は蘇寧がぶっちぎり、そして2位は国美。これはずっとこのような順位なのですが、いかんせん1位と2位の差が大きすぎ、1位がぶっちぎりの単独第1グループ、2-4位がそれに続く第2グループという図式といえるでしょう。日系企業を中繻子してみたところ、イオン25位、ファミリーマート49位、セブンイレブン59位、ローソン67位、イトーヨーカ堂77位と名を連ねています。

このトップ100企業の売上規模は2.4兆元で、前年比マイナス7.2%となりました。コロナの影響であることは間違いないでしょう。これは1997年にこの統計数値を発表して以来初のマイナスとなります。

さて、マイナス成長とはなったのですが、出店意欲は旺盛のようで、トップ100のうち2/3の企業が前年より店舗数を増やしてます。トップ100全体で見ますと店舗数は8.2%増加、種類別に見ますと専門店が+19.5%、スーパーが8.5%、コンビニが+5.3%となってます。

そしてこのような環境の中でも売上を伸ばしている企業は少なくなく、2桁成長したのが永輝、易捷、物美、美宜家、信誉楼、大参林、紅旗、銭大媽、佳惠、大張、新星、天福、健之佳、比優特、国美の15社です。いやはやたいしたものです。

また、コロナという特殊要因もありましたが、ここ数年オンライン対応を進めており、デリバリー、ライブ配信、拼団(交流型共同購入)といった業務展開を進めたかいもあり、トップ100企業のネット販売規模は5600億元。これは全体の23.3%に相当し、前年比プラス12.0%の成長を遂げています。

しかしながら、コロナ対応のための支出、商品ロス、従業品補助等の費用の増加、賃料の増加、人件費率の増加もあり、利益面の伸びは勢いが弱く、種類別で見ますと、スーパーが+1.6%、コンビニが+1.0%、ショッピングモールが2.3%、専門店が2.2%となってます。これをネガティブにとらえる見方がありますが、この環境の中で利益を伸ばすことができたことをポジティブにとらえてもいいのではないかと思います。

そして、今のところコロナが終結したわけではないですが、2021年に関しては楽観的な見方をしている企業が多く、約9割の企業が前年比プラス、そのうちの半分がその成長率が5-10%の間と予測しています。また、店舗数の増加は5%以内とみています。そして、4割の企業がネット販売の成長率が30%以上になると予測しています。

こういう環境の中でも消費が衰えることはないとみていますが、コロナ影響の落ち着きぶりを見る限り、それも納得できるものでありますね。

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