2021-06-07

農民工の高齢化 in 中国

中国国内の農民工が高齢化しています。2008年時点で50歳以上の農民工比率は11.4%だったのだ、2019年にはこれが24.6%と倍以上になっています。下表を見ると2017年にはもう20%を超えていたのですね。

50歳以上の比率がどんどん増えているのに対して、16-20歳、21-30歳はかなり減少、31-40歳は微増、41-50歳も増加。要するに、若い人は工場勤めを嫌がり、その穴埋めを年齢層の高い人たちで埋めている構図です。若い人たちが体力的にきつい仕事を嫌がるようになったこと、若い人たちの仕事の選択肢が多くなったこと、この辺りが農民工の高齢化の要因でしょう。

工場勤務者が高齢化すると、新しい技術・スキルを身につける難易度が高まることが想像できます。特に、近年は政府の工場に対する管理も厳しくなってきており、これらに対応する必要があるのですが、高齢化した農民工にとってこれは厳しい話かもしれません。となると、方向性としては自動化、ロボット化の方向に向かうということか。高齢化の問題抜きにしてもいかに人の手を介さずにモノづくりを進めるかの流れはずっとありますが、高齢化となればより一層その必要性が増します。自動化、ロボット化が進むことにより工場の人出が減る、当然あぶれる人が出て来る、でも新しい産業がそのあぶれた人達を吸収する。その受け皿の主体がサービス業であり、確かにサービス業に従事する人たちが増えています。GDPの産業別推移もこんな感じです。

すでに2015年の段階で第三次産業がGDPの半分を超えていますね。予想できた動きではありつつ、またすでにそうなっているということにうすうす気づいていつつ、あらためて気づかされた次第です。

しかし、中国でも定年年齢延長を研究しているようなので、これが実現すると農民工の高齢化がさらに進むかもしれませんね。

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