2021-08-19

詐欺電話にはご用心

会社の固定電話や携帯電話に営業電話が良くかかってきます。営業電話自体は別にいいのですが、詐欺的な電話にはご用心というお話を紹介します。先日上海で仕事をするAさんはこのような詐欺電話に遭遇したようです。

営業 「私は北京河図の者ですが(法務担当といってくるケースもあります)、あなたの会社でWechat公式アカウントありますよね?」

Aさん 「ありますが。」

営業 「そこで使われている写真の中で、弊社が版権を持っているものがあります。これは明らかな違法行為になります。このままいくと裁判沙汰になりますが、そうならないために示談で解決しようと思うのですが、いかがですか?」

Aさん 「やかましいわ!」と電話を切る

かけてきた相手は携帯電話だったので、Aさんは、ためしにその番号でWechatを検索すると会社名と個人名ができてきました。会社名は略称で北京河図というところです。さらに調べると北京河図創意図片有限公司という会社だとわかりました。企業情報を調べたところこんな感じです。

裁判記録がめちゃくちゃに多いのです。法律訴訟というところを見ると4367件もあります。全部を見るわけにいかないので、ランダムに見て行くとある傾向が見えました。ほとんどのケースにおいてこの会社が原告となっており、原告の訴訟代理人は同社の職員が担っています。要するに弁護士を雇わずに職員に原告側の立場で訴訟代理人をなっているのです。そして、多くのケースにおいて原告側から訴訟取り下げをしています。勝てないと思って取り下げたのか、被告側との間で示談が成立したのか、そのあたりまではわかりません。しかし、少なくともこの会社にかなりの悪評があるのは確かです。

この会社を話題にしたチャットがありました。中国語が理解できる方なら一目瞭然ですが、とにかくボロンちょに書いてます。

北京河図公司が実際にやり取りした会社の事例です。

まずはB社が北京河図公司とやりとりした内容をご紹介します。

「B社は北京河図公司に版権侵害しているとある写真の事で1500元の和解金を要求された。北京河図公司から「電子メールで民事訴訟状、公証書番号の写真、河図公司オフィシャルサイトの写真のスクリーンキャプチャー」の3つが送られてきた。

B社は実際に過去に版権侵害をしてしまったことがあり、それ以降この方面に大変気を付けており、北京河図公司が言ってきているようなことは発生していないはずと判断。実際に北京河図公司が指摘した写真はきちんとしたサイトから正式に購入していたものだった。そのため、その後北京河図公司と電話でやり取りした際に、その写真の版権を北京河図公司が持っていることの証明を要求したところ、版権証明を出すには公証が必要で、その費用は1000元程度必要なので、和解金は900元で収まらなくなる(1500元がいつのまにか900元になっている)。要するに今のうちに話をつけといたほうが安く上がりますよということですね。

B社も非常に粘りの強い会社で、この電話のやり取りの前日に北京河図公司がこの写真をとある写真サイトから購入していたことを突き止めました。よそのサイトから購入したものの版権を北京河図公司が版権を有するものと主張してくるとはなんとも厚かましい。結局この事例では北京河図公司は和解金をせしめるのをあきらめたとのこと。

他にもC社との事例もあります。

C社は、北京河図公司から同じような電話を受け、本来1万元のところ1200元で和解しないかという電話を受けたとのこと。これも同じようにすでにどこかのサイトで購入した写真だったので、北京河図公司に、「版権証明を出せ」と要求したところ同じように「公証費用が発生するので、和解金額が1200元じゃなくなる」といわれたのだが、これを詐欺と確信したのでC社は電話番号をブラックリストに登録して北京河図公司からかかってこないようにしたようです。

このほかにも別の会社で12万元もの金額を要求された事例もあります。

訴訟取り下げが多いのは、和解金を支払っているのもあるかと思いますが、上記のように北京河図公司がやり込められているケースも多いのでしょう。

お分かりかと思いますが、北京河図公司は、1200元とか1500元とか900元とか、個人レベルでも全然支払うことのできる程度の費用を言ってきてます。おそらく会社のネームを見てもっと高額を吹っかけているところもあるかもしれません。

こういう電話が来ればどうしたらいいか、それはもちろん即ブラックリスト登録ですよー!

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