2022-04-15

上海ロックダウンをきっかけとした中国事業の見直し

日本のニュースでも紹介されていますが、上海が現在ロックダウンされており、食料調達もままならない状況にあります。当然出社もできませんし、物流もかなり止まってしまっているため、業務に支障が生じているのは否めません。ここまで止まってしまうと在宅勤務でカバーしきれるものではないでしょう。

思い起こせばコロナ禍が始まったころ、2020年初頭ごろですが、私のところでもいくつか中国撤退に関する業務がありました。中国企業の実力の上昇に伴い競争力が弱くなってきた、労働コストが上昇しやっていけなくなったなど、企業によって理由は様々です。元々撤退を考えていたが、コロナ禍が背中を押したような形だったのかもしれません。そして今の上海のこの状況。ほかの都市はいざ知らず、上海に関してはあの頃よりも状況はよくないように思います。となると、今封鎖されている中で実際に具体的な動きはできませんが、意思決定を行うということだけはできます。大企業だと難しいかもしれませんが、中堅クラス以下であればロックダウン期間中に方針決定をし、ロックダウンが明けてから正式に動き出す、こういうのもあり得るのではないかと思ってます。ちょうど年度も変わりましたので、タイミング的にもいいかもしれません。

現地法人が撤退すれば業務が基本的にはなくなってしまうわけですが、それでも中国市場を捨てがたい、切り詰めればやっていけなくはない、そう思う人もいるかと思います。

一つ目の方法としては、現地法人を駐在員事務所に切り替え、実質的な営業活動を小ぶりな組織である駐在員事務所で行っていくというものであります。駐在員事務所は営業活動を行うことはできないことになっているため、あくまで業務連絡を行うという形態で行うことになります。

次に、複数の現地法人があれば、もともと上海で営業していた人だけをどこか別の土地にある現地法人に所属させる形で、引き続き上海で従来の営業活動を続けるというのもあります。

ただし、上記の二つはいずれも形としては少しいびつであることは否めませんし、規模の大きい会社であればあるほど組織論の兼ね合いもあって難しいでしょう。

他に何があるかと考えたところ、もし日本から中国向けに輸出ビジネスをしたいということであれば、中国国内で営業活動をしてくれる人がいればいいわけですから、これを外注してしまうという方法があります。営業代行、あるいは販売ブローカーのような形ですね。販売だけではなく調達もおなじで、調達先選定や調達先との折衝等の調達業務も外注することができるでしょう。たぶん日本国内にいながらにしてこのようなことをやっている人はそれなりにいると思うのですが、中国国内で同じような活動を行っている人がいてもいいと思うのです。日本にいるよりも圧倒的に動きやすいのは言うまでもないでしょう。

あとは、撤退という形態ががどうしても嫌ということであれば、コスト負担の最も大きい駐在員の人数を減らし、現地従業員に任せる(これができていれば撤退しないと思いますが)、これが難しいから撤退を考えるということであれば、営業なのか財務なのか、駐在員が担っていた機能を外注する、これもありではないかと思います。私も実際に日本の親会社の依頼を受けて現地法人の業務に携わっているものもあります。

やり方はこれだけではないと思いいます。さらりとブログに書いただけですのでよくよく考えればほかにも方法があるかと思いますが、モヤっとしたレベルでもよいのでこれらについて何かお考えをお持ち、あるいは思い悩んでいるようであればご相談いただければと思います。

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